天使の告別

虚実の膜で罪を孕んで
あの子が手折った花の命日
純潔は羊水にたゆたう
21gの産声
ヴェールと荊冠
星になるから、待っていて
天に誓ったところでこの愛を証明してくれるものなど何もないのだ
風見鶏が明日あすを振り向き哭くのなら
慈雨の落とし子
3日目の羽音を聴いたか
いつか罪を赦されこの名を失くしても
記憶の中で幼気に手を振る彼女を見ながら思う。ああ違うのだあの子はただ卑屈で泣きべそでこの世界を頭のてっぺんから足のさきまで憎んでいただけなのに。こんなふうに美しく笑う筈もないのに。

あの人は息をするように綺麗事ばかり吐く男だったけれど、私に言わせればあの大馬鹿者こそ誰よりも愛されて幸せになるべきだったのよ。そうでなければ何度生まれ直したって虚しいだけじゃない。
穢されたせい
絶望を纏い初めて希望の意味を知る
ほんとうはあわれな天使になって神様に羽を捧げて死にたかったの
過去に告ぐ夢物語
この心臓は来々世あなたに還すね
礼拝堂の隅っこに転げ落ちた祈りは、静かに埃を被り忘れ去られていくのだろう
それでもわたしはしあわせでした
とても、とても、しあわせでした


(Let there be light.)
colored by 或子さま
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