「だからさ。…うん、そういうことだよ」

「何?はっきり言ってくれなくちゃ僕全然わかんないんだけど」

「嘘!絶対分かり切ってるじゃん!」

「わかんないなぁ。なんで君が僕の前でそんなに顔を真っ赤にして恥ずかしそうにしてるのか、全然わかんない」

「バ、バレンタインだってあげたじゃん!」

「ホワイトデー、ちゃんと返したよね?」

「返してくれた、けど」

「何でその時僕が言わなかったかわかる?」

「…普通こういうのって男から言うんじゃないの?」

「僕に言わせる気?」

「だからー!!」

「僕は、君の口から聞きたいんだけど」



不二はズルイ。私の気持ちには絶対気付いてる癖に、いつも応えてくれてるのか曖昧な態度ばっかり取って来て、結局私はいつも振り回されてばかりだった。今言ったバレンタインもホワイトデーも、その前のクリスマスも、学祭も、修学旅行も、あらゆる行事はいつも不二と過ごして来た。なのに不二の気持ちなんて私には全然分かんなくて、今この状況になってようやく少しわかった。それでも、やっぱり不二からは言ってくれようとしない。だから私が酷く消え入りそうな声で言いたかった言葉を紡げば、不二は「合格」と言って抱き締めて来た。

不二はズルイ。これまで感じていた沢山のモヤモヤを、その行動1つで全部解消させてしまうのだから。


---


相互記念でいちごにプレゼント!名前変換無くてごめんね…!不二くんがただのドSになってしまった…(笑)

良かったら受け取ってくださーい!
「#オメガバース」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -