「返せ返せ返せー!!」

「返してほしいなら自力で取ってみろ」

「無理なのわかってるくせに嫌味言わないで下さいー148cmに対する侮辱ですかー柳なんか消えちゃえ」

「いいのか?教科書がないと授業を受けるにも受けられないだろう」

「…返して下さいお願いします」

「それは無理な願いだな」

「どうせ無理ならそんなこと言うなー!あっ、幸村!ちょっとあんたんとこの柳どうにかしてー!」

「えー夫婦喧嘩に入るのはだるいなぁ」

「誰が夫婦だ誰が。どこをどう見たらそうなんの」

「んー、どっからどう見ても?」

「…テニス部なんて嫌いだ」

「ほら、チャイムが鳴るぞ」

「いいもん柳返してくれないからサボる。幸村かまって」

「夫が隣にいるんだからそっちにかまってもらいなよ」

「だーかーらー!!」

「というわけで蓮二行ってらっしゃい、はいこれ屋上の鍵」

「…なんで持ってんの?」

「あぁ、ありがとう精市。ほら、着いてきなさい」

「いやありがとうって何?え?強制連行?なんで私抱っこされてんのー!?」

「可愛かったから」

「可愛いって言えば女の子皆オチると思ってんなよこの糸目。あっごめんなさい言い過ぎました開眼しないで許して」

「謝るくらいなら最初から言うんじゃない。本当に可愛いなお前は」

「…幸村ぁあーー!!」



はいはい、照れ隠しに俺を呼ぶのはやめようね。
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