「まさか幸村が入院するなんてびっくりだよ」

「授業を抜け出してまでお見舞いに来た先輩に俺はびっくりしてますけどね。いいんですか?高校はサボりすぎたら単位落として即留年ですよ」

「ちょ、なんで私がサボりまくってること知ってんの」

「中学の頃の貴方を見てますから」

「うわーひどーい」

「…先輩、貴方本当にお見舞いに来たんですか」

「いやー暇つぶしかな」

「馬鹿にしてるんですか」

「嘘だって。マジで心配だから来たに決まってんじゃん」

「…」

「立海は王者のあんたがいないと駄目なんだからね、幸村」

「…」

「これで真田が王者になったら嫌だもん私」

「そんなの俺が許しません」

「でしょ?私が毎日お見舞い来てあげるんだからすぐ治るって」

「だから単位落としますよ」

「なんでサボりで来ること決定済なのさ。あーでも留年したら幸村と同い年か、それはそれでいいかも」

「え」

「あんた高校も立海でしょ?」

「まぁ、そうですけど」

「同じクラスになれるといいねー」

「留年する気満々じゃないですか」

「ねえ、幸村」

「はい?」

「…あー、幸村こういう言葉嫌いかも」

「なんですか」

「でも本心だからね」

「だからなんですか」

「私が支えるから、大丈夫だよ」



ありきたりな言葉でも、この人が言うとなぜか酷く心に残った。
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