「だからさ、俺は恋愛とか面倒なわけよ」

「へぇー」

「メールくれないだの電話くれないだの記念日忘れただのうっせーし、自分の時間少なくなるし。そんな事してる暇あんなら菓子作ってたいし!」

「そうなんだーパティシエ志望は大変ですねー」

「てなわけで、結婚してくんね?」

「どういうわけか全くわかんないんだけど」

「いや、恋人期間とかめんどいからそれならすぐ結婚しちまえばいいかなーって思って。俺お前とならいいぜぃ」

「私の意見を聞け。あんたと結婚したら食費やばそうだし嫌だよ」

「そんなん俺が稼ぐに決まってんだろぃ」

「私買い物好きだから食費だけで稼ぎ全部飛んじゃうくらいなら無理」

「俺が稼げない男とでも?」

「まぁ、私は昔からあんたとしか結婚する気無いけどね」

「…おう」



昔から一緒にはいたけど、幼馴染というには男女の意識が強すぎた。でも一線を越えた事は無くて、なんとなく付かず離れずのままだった。そんな風に互いの気持ちはわかってたのに探り合ってた今までとはもうおさばらして、さて、婚姻届提出してこよーっと。
- ナノ -