「…なんでここにいんの?」

「この極寒の中、外で精市くんの帰りを待っちゃうとことか一途じゃない?」

「俺お前に一人暮らしの住所教えたっけ」

「なんなら貴方の勤め先も上司の名前も知ってますが」

「世間ではそういうのストーカーっていうの知ってる?」

「好きなだけだし」

「怖いんだけど」

「かわいくない?」

「そうだね、かわいいねいいね」

「精市くん、目が全力で帰れって言ってるよ」

「口に出したら帰ってくれるわけ?」

「そう思う?」

「…鼻真っ赤にして馬鹿じゃないの、本当に。早く入れば」

「やったー!」
- ナノ -