*舞台設定
*舞台オリジナルキャラが名前だけ出ます

マックで昼食をとっていると巻島と東堂の携帯が同時に鳴った。
「ん? アド変メール……」
「おめーもか、東堂」
お互いに携帯画面を見せると同じ人物からのものであることは分かった。しかし肝心の名前が書かれていない。
「分かるか?」
「いや……」
どちらも頭をフル回転させてみるが浮かばない。そこで共通の知り合いを挙げてみることにした。なぜ「誰ですか」という旨のメールを返さないのかは謎である。
「箱学とうちのレギュラーは知ってるっショ?」
「ああ、そうだな。で、恐らく福富と荒北はそうそうアドレスを変えない」
「となると箱学は新開だけか。けどオレは新開とはアドレス交換はしてねぇ」
箱学はなくなった。
「こっちも金城、田所っちは変えねえ」
総北もなくなった。それ以外に共通の知り合いがいただろうか? 頭を悩ませるが一向に浮かばない。共通の知り合いなんて自転車関係以外はありえない。
「書いてある文も『アドレスを変更した』だけだもんなあ……」
「手っ取り早く聞くかァ……」
言うが早いがカチカチと巻島が携帯を手に取り打ち始める。送信して携帯を置きジュースを手に取ると同時に着信音が鳴る。
「早いな……」
普段巻島からのメール、電話に即出る東堂が呆れ顔で言う。
「あ」
画面を見た巻島が口を開く。
「知り合いだったか?」
東堂が少し身を乗り出して尋ねる。すると巻島は画面を東堂に向ける。思わず東堂も「あ」と、巻島と同じ反応をした。
「曽倉哲夫って……アイツかよ……」
昨年のレースで会った五輪高校主将の曽倉哲夫だった。昨年はレース後無理矢理連絡先を交換させられたのだった。
「懐かしすぎショ」
「ままま巻ちゃんが笑った!」
「うるさいっショ」

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -