「巻ちゃん」
「何ショ」
「チョコレートプレイってぐはあっ」
バレンタイン。東堂は巻島の家に押しかけ、少し落ち着いたところでとんでもないことを言い放ちかけた。巻島はクッションを東堂の顔面めがけ投げつけた。
「巻ちゃん、ひどいじゃないか!」
「変なこと言うからっショ」
巻島はハァとため息を吐く。
「バレンタインだからって頭イかれたかァ?」
「オレは大真面目だ!」
「追い出すぞ」
その脅し文句にシュン、と大人しくなる東堂。そういえば巻島は東堂に何も渡していなかったことを思い出す。まさか平日に会うと思わなかったし、もともとあげる気などなかったが、自分はいつも貰ってばかりだったなと反省をする。「少し待ってろショ」と部屋を出て向かったのはコンビニだ。今の時間からじゃ作るのは大変だしデパートなんかはもう閉まっている。コンビニでもなかなかオシャレなものが売っていたりする。1つを手にとり部屋へ戻ると東堂はローテーブルに頭を乗せて寝ていた。思わず脳内に「スリーピングビューティー」という肩書きがよぎったが振り払い、コトリと買ってきたチョコを置いた。

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