「巻島」
金城に呼ばれたから何かと思えば。
「東堂がインフルエンザになったそうだ」
「……は?」
疑問はいくつかある。金城がなんで知ってんだ、とか、それを何故オレに言うんだ、とか、東堂が金城の連絡先を知っているのか、とか。
「福富から連絡があってな」
「……?」
ますます分からない。
「どうやら巻島には言いたくなかったらしいが……つまりお前が出るレースに出られないそうだ」
「ああ、なるほど……」
金城との会話もそこそこに、携帯を開く。普段はオレからかけることなんてめったにないが……インフルエンザだし、もしかしたら出ねぇかもしれないし、な……。
アドレス帳を開いてコールボタンを押して携帯を耳に当てる。なんとワンコールで出やがった。
『巻ちゃん!?』
「とお……」
『巻ちゃんから電話なんて! オレは嬉しすぎてテンションがおかしくなりそうだよ!』
いつもおかしいだろ、という言葉は飲み込み、インフルエンザとは思えないほどの元気の良さに「切るぞ」と言った。
『ままま待ってくれ! 何か用があったんじゃないの、か?』
「いや、おめぇがインフルって聞いたから気になってよォ……」
『え、だだ誰から聞いたんだ!?』
「福富が金城に言ってそっからオレに……」
『福が!? ……スマンな、巻ちゃん』
東堂が急に静かになった。
『明日のレースには出られそうにない』
「クハッ、当然っショ。うつされたらたまったモンじゃねぇ……具合は大丈夫なのか?」
『巻ちゃん……! それはもしや俗に言うツンデレというやつ――』
思わず電話を切った。心配して損した。


::ちょっと意味が分からない 笑

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