「巻ちゃん、好きだ、付き合ってくれ」
いきなりそう言われて頭の中は真っ白になった。そうして出た言葉は「何処へ?」なんてものだから我ながら笑ってしまう。
「巻ちゃん、まさかそんなベタな返しをしてくるとは……好きなんだ、オレは巻ちゃんを、恋愛対象として好きなんだ」
そんなに真っ直ぐ言われたらなんて返せば良いか分からないじゃないか。決して嫌いな人物ではないが、自分は東堂を恋愛対象として見れるのか? ましてや同性だ。同性愛を否定する気はさらさらないが、自分がそうかと聞かれたらそれは違う。グラビアが好きだ。女が好きだ。
「お、オレはおめぇのことを恋愛対象としては見れないっショ」
「だろうな!」
ようやく紡いだ言葉に元気よく返されて再び戸惑う。コイツは今好きなやつにふられたんだぞ。
「だがオレが巻ちゃんに気持ちを伝えたことできっとだんだんオレのことを恋愛対象として見るようになるかもしれない! そうなればしめたものだ!」
とんでもないことを堂々と……頭が痛い。オレが東堂を好きに? ライバル以上になんてなるものか。
「絶対ない、なんて言い切れるか?」
にやりと笑って見せる東堂に、クライム勝負を申し込んだ。

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