OTE後



「おじさん、わたし、これがいいなあ」
「チョコレートパフェだな、わかった。…お前は?」
「……」

神室町の騒動から、もう随分経つ。
それからなんやわからんけど、遥ちゃんに呼ばれて、今こうやって桐生と遥ちゃんと三人で喫茶店に来とるわけなんやが。
桐生の機嫌が悪すぎてもう早よ帰りたい。

「龍司これにしろ、たこ焼きパーティーにしろ。10個も入ってるぞよかったな」
「自分なめてんのか」
「おじさん、龍司さんのたこ焼きのほうが美味しいに決まってるでしょ?」
「……」
「遥ちゃんはようわかっとるやないか。ええ子やなあ」
「えへへ、わたし龍司さんの隣に座る〜」

遥ちゃんそれはあかんて。
ほらもう、桐生今にも暴れかねん顔になってるで。
いやくっついてくれるんは嬉しいんやけどな。
可愛いし。
でもほらもう目の前のオッサンキレそうなんやて。
早いとこ食って早いとこ帰ろ。

「龍司さん、一緒にパフェ食べよ!」
「お、おお。ええで」
「わあい」
「ほなら俺は…」
「すいません、このハイパージャンボパフェください」
「!?」
「ええ、おじさんそれ食べるの?5人分って書いてるよ?」
「龍司がパフェ食いてえみたいだったからこれにしてやったぜ、喜べ」
「自分アホちゃうんか」
「あ、じゃあわたしチョコレートパフェやめて、龍司さんと一緒に食べるね!それだったらちょうどいいんじゃない?」
「!!!」
「お、おお…え、ええけど…」
「えへへ、龍司さんとおそろいだねっ」
「せ、せやな…」

まあなんや、小さい子どもに好かれるのも悪ないな。
可愛らしいし、妹は薫がすでにおるけど小さい頃は知らんからなんや新鮮や。
頭でも撫でてやりたいんやが、もうすでに人殺すような目で見てくるオッサンがおるからな、遥ちゃんごめんやで。(勝手に謝っている)
それからしばらく経って、ハイパーなんちゃらっちゅうパフェが来た。
うわ、なんやこれ、アホほどでかいやんけ。
下手したら俺の顔ぐらいあるグラスにてんこ盛りに盛られたパフェを見て、遥ちゃんは嬉しそうにスプーンで食べ始めた。
笑とる遥ちゃんは可愛いなあ。

「………」
「き、桐生も食えや。なっ。ほれ、スプーンあげるわ」
「おう、ありがとうよ」
「持ったそばから折るなや阿呆」
「おっと、変な力が入っちまったようだな」
「スプーン使えなくなっちゃったね。おじさん、はい!あーん」

信じられへん。
桐生の鬼のような顔が一瞬にして仏のように柔らかなった。
もう遥ちゃん、嫁に行けへんのちゃうか。
まあ、俺も許せるかっちゅうたら許せへんけど。

「龍司さんも、あーん!」
「……」



スプーン



「あーん」
「お前!!」


(ちっさい幸せくらい大目に見てや)



喫茶店シリーズ一応しめ
EDの後から遥ちゃんは龍司にべったりだと 萌え
大人気ない桐生さんが好きです


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