千々の罪 | ナノ



・赤い月の厄災の伝承

(千羽・火月に伝わる家訓ともいえる。昔の当主の手記にあった走り書きの写しとされる)

赤い月が昇る時、この地に厄災が訪れるだろう。
数百年、あるいは数十年に一度この地に溜まった罪穢れがあふれ出し地上に降り注ぐ。
常世と現世の境目が消え、異界より様々なものが高日子の地を埋め尽くすだろう。
とりわけ赤き月が望月となるとき、羽月の山中にてタマヨリヒメの血を引く人柱をもちいてこれを治めよ。
厄災の前兆や兆候として、徒人が見鬼になる、家畜が怯えたように騒ぐ、山に住む獣に襲われる、人が神隠しに遭うなどする。
特に、地脈の乱れや瘴気にあてられたものによる人災も見られるようになると一刻の猶予もないと心得よ。
厄災はタマヨリヒメの血を以てしてなんとしても鎮めよ。


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