千々の罪 | ナノ




修験者たちが、日本全国の霊山から天狗たちを招聘するために唱えるという経文が天狗経とされる。
天狗の原質は山神山霊と怨霊である。
中国では流星または彗星(すいせい)が尾を引いて流れるようすを、天のイヌまたはキツネに例え、仏教では夜叉(やしゃ)や悪魔のように考えられていた。
この名が同じ隠現自在の働きをする日本の山の神にあてられ、中世以後修験(しゅげん)道などの影響で、山伏の服装をした天狗がとされるようになった。
中国の古書『山海経』や『地蔵経』の夜叉天狗などの説が日本古来の異霊、幽鬼、物怪 (怨霊) などの信仰と習合したものと思われる。
鎌倉時代ごろから山伏信仰とむすびついて形象化され庶民信仰の対象となった。
善悪二面性をもつが、天狗を信仰対象にとりいれたのは山岳宗教の修験道であった。
日本では仏教を当初は山岳仏教として受け入れ、在来の信仰と結び付いた修験道(しゅげんどう)を発達させた。
以降、天狗は修験道と結びつき密教的な要素を濃くしていったという。


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