案じてたもるより銭もたれ(1/2)


私が到着して数分後くらいだろうか。入江さんとスパナさんの飲み物をお持ちした時丁度沢田くんのファミリーの皆様と遭遇した。お先にお邪魔しております。試練、見事合格したようですね。


「アイスティーでよろしかったでしょうか?」
「ありがとう、アルさん」
「こうして見るとほんとにメイドって感じが……」
「皆さんのお飲み物もご用意しましょうか?リボーン先生はエスプレッソで?」


「頼むぞ」とのお返事に再び奥に戻って湯の用意を。そう言えば皆さん、朝早かったので朝食を取られたのだろうか?後で確認が必要だ。

未来での時間は入江さんの装置により、私達が過去に戻った時からほんの十数分しか経っていない。不思議な機械だ。そのおかげで私達は僅かとは言え、試練を受ける期間を設けれたのだが。

どうぞ、と皆さんに飲み物を差し出す。受け取る際に見えたボンゴレリング。これが私達が強敵に対抗出来る唯一の手段。アルコバレーノの試練を合格した、ということはボンゴレ匣を開けられるようになったということ。あとは白蘭を倒してそれでお終い。そのはず。


『ただの小休止だよ』


唐突に響いた声に「白蘭サン!?」と入江さんが声を上げた。等身大のホログラムが映し出される。彼が噂の白蘭か、と目を細めた。皆、警戒の色を露わにする。

全て白蘭にはお見通しだったらしい。イタリアでミルフィオーレが負けることも。入江さんが裏切っていることも。


『しっかし正チャンもつくづくもの好きだよね。まだケツの青いボンゴレ10代目なんかに世界の命運をあずけちゃうなんてさ』


けれどこのままボンゴレを消すことも簡単だが、副官に裏切られてリーダーとしてのプライドが関わる。だからちゃんとしようと思うのだ、と白蘭は言う。


『沢田綱吉クン率いるボンゴレファミリーと、ボクのミルフィオーレファミリーとの正式な力比べをね』


勿論トゥリニセッテを賭けて、だ。

けど6弔花は入江さんを残し、全て倒したのだ。入江さんは白蘭にもう戦力はない、と反論するが白蘭は余裕そうに笑った。その時丁度入江さんのリングが壊れた。


「偽物…?」
『悪いけど、正チャンには秘密で他に組織してあるんだ』


入江さんには内密に組織された戦力。「紹介するね」と言った白蘭の背後に、ある6人が映し出された、ホログラムのモニターが現れた。


『彼らが本物のミルフィオーレファミリー6人の守護者、真6弔花♪』


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