大遣いより小遣い(4/4)


次の日は雷雨だった。レヴィ様が出番の日。私はその間に夕食の支度をして皆様の帰宅を待つ。

雷が光った。それと同時に皆様が帰られたようだ。


「お帰りなさいませ。雷の守護者戦はいかがでしたか?」
「レヴィの勝ちだよ」


それはおめでとうございます、と労いの言葉をかけ、タオルを差し出した。濡れたままで、風邪をひかれては看病する私も困ることだし。


そのまま食事だ。今夜は夕食を食べずに皆様出掛けたので遅い夕食となる。

大遣いより小遣い。可能な限り出費を抑えるようにして買うものを決めている。あまり無駄遣いをするとマーモン様の怒りを買う羽目になりかねない。決して無駄なく。使いきれる量を想定して。当たり前と言えば当たり前のことだ。


「本日のご夕食はしゃぶしゃぶになります」
「しゃぶしゃぶ〜?何ソレ?」


ししし、と笑うベル様含め皆様の前には水を沸騰させている鍋と豚肉を用意してある。こうするのです、と豚肉をさっとお湯に通した。ポン酢につけるだの大根すりを合わせるなどお好みでどうぞ、と差し出すと、ベル様は肉をしげしげと見つめてぱくりと食べた。少し咀嚼して一言。「うまっ」それは嬉しい限りです。


「折角日本にいらしたので、これから滞在期間中は日本食を振舞おうと思いますが、よろしいですか?」
「僕はどっちでもいいよ」
「肉が食いてぇ」
「では明日も日本食で」
「む!貴様またボスのことを無視したな!!」


肉ばかりでは栄養が偏りますので。その要求に応えることは出来ませんね、と言った。平然と言ってのけた私に、スクアーロ様が「ハァ…」と溜め息を吐いた。


「……命知らずなのか何なのかぁ…」


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