辛抱する木に金が生る(2/2)


放心しているスクアーロ様をなんとか覚醒させ、指導は次の段階に移る。リングに炎を灯した後は匣兵器の扱い方だ。

スクアーロ様はこの時代の私の部屋から持って来たという箱を目の前に差し出す。二重構造になったそれを開けてみると、大量のリングと匣が入っていた。多くのリングにはチェーンが巻かれてある。それも一つ一つ、ご丁寧にだ。
それらを観察してみて、ある疑問が頭に浮かんだ。


「スクアーロ様。紫色の炎は雲属性ですよね?」
「ああ。それがどうした?」
「この箱の中、雲属性以外のリングも入っているみたいなのですが」


リングは使用者の波動とリングの波動が一致しなければ炎を灯せないはず。ただ量があればそれでいい、というわけではないのでは。
そう尋ねるとスクアーロ様は「そのことか」と呟いた。


「一人が一つの属性しか扱えるわけじゃねェ。稀にいるんだよ、複数の波動を持っているやつが」


そうなるとつまり私は複数属性を有しているというわけか。とは言っても、大抵の人間はその波動が小さすぎて使い物にならない場合が殆どらしいけれど。

さて、それでは早速開匣してみることとする。匣を開けるのに必要なのは匣の属性に合致するリングの炎。ここでもまた属性。これだけの数だ。実際の戦闘で間違った匣を取り出さないように気を付けなければ。

ちなみに、匣にも種類があり、それ自体が兵器となる匣と物資を保管するための匣。ふうむ。覚えることがたくさんある。
習うより慣れよ、か。まずは辛抱強くトレーニングを積まないと話にならない。早いところ戦闘術を身につけよう、とリングに炎を灯した。


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