『男はセックスに生き、セックスで男を語る』

というのは某高等学校2年A組南崎唯人の座右の銘らしい。




男は常に性欲と戦う生き物で、頭の中はピンク色。男同士で話す下ネタは女に聞かせられないほどエグい。

しかしだいたいの男はむっつりだ。なぜなら、女に自分の性癖やらなんやらを曝け出してしまえば一気に嫌われるって考えるから。

好きな人になら、なおさらそれを隠したがる。



そんな中で、南崎唯人は堂々と言い放ったのだ。

自分は性欲で歩いている、と。





「まじサイテー」、「きしょくわるっ」って普通なら女は言うと思う。なんなら男である俺ですら思った。

しかし女には女の生き方がある。

『倫理や道徳よりも、まずは顔。アホでもクソでも、まずは顔。』


そう。南崎唯人は顔だけは良いのである。だからめちゃくちゃモテる。南崎に「抱かれたい」って女は後を絶たず、あっちもこっちもセフレだらけ。純情だと思っていた女の子もいつの間にか南崎の虜なのだ。






「どうしたら童貞を捨てられるのか…!」

女をはべらす南崎を横目に、俺は苦渋の顔で前の席に座る桧山に訴えた。


「竹下うるさい」

「この際誰でもいい…!」

「いや、お前それはさすがに考えが南崎と一緒だぞ」


しょうがないんだ。やけくそにもなる。自分が中学校から片思いしていた女の子が、この前南崎唯人に抱かれたとか聞かなければこんなサイテーな発言はしなかっただろう。しかも付き合うわけでもなく完全にセックスだけの関係らしい。

俺の純粋な恋心は南崎という色魔クソ野郎のせいでズッタズタのボッロボロにされたのだ。正直辛すぎて死にたくなる。


「南崎が憎い…」

「諦めて次いけよ」

次?次とはなんだ。どうせ好きになったって南崎にヤられるんだよ。俺はこの世の残酷さを知ったんだ。



「じゃあさ、合コンいかね?」

「…合コン!?」

「ああ。この学校の女子じゃなくて、他校の子を好きになればいいんだよ。そしたら南崎に取られる心配もないんじゃない?お前の恨み節そろそろうざいし」

「行く。めっちゃ行く!」


意気揚々と桧山の誘いに乗った。桧山がなんか俺の悪口言ってたけど気にしない。

俺の意識はもうすでにここにはなく、合コンで可愛い子に出会って新しい恋に落ちる妄想を頭の中で繰り広げた。




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