俺の恋人は可愛い。
 

俺は目の前の小さな背中を見つけ、にんまりと笑う。自然と小走りになり、その小さな背中に飛びついた。


「寺ちゃーん!」

「うわっ」

小さい体では俺を支えきれないようで、よろりと倒れそうになる寺ちゃんを抱き抱えた。




「いきなり飛びつくな!つーか離れろ暑苦しい!」

キッと俺を睨み、くっつく俺を無理矢理ベリッと剥がす。



「いいじゃん付き合ってんだからさー」

「ばっ」

寺ちゃんは目を見開いて、周りをキョロキョロと見渡す。

周りには俺と寺ちゃんだけ。

寺ちゃんは、ほっとした顔をして、すぐに顔を赤くして俺を睨んだ。




「お前そういうの大きい声で言うなよ!誰かいたらどうすんだ!」


うん、可愛い。


「寺ちゃん」

「んだよ」

「キスしていい?」


「はあ!?駄目に決まってっ…んむうっ」

寺ちゃんが焦ったすきにキス。うん本能には勝てない。


「梶田ぁあああああ!!!」



俺の恋人の寺ちゃんは、ものすごく可愛い。背が低くて童顔で、でも口が悪く気がつよいツンデレな子なのです。あ、ほしいとか思った?誰があげるか埋めるぞ。



「寺ちゃん寺ちゃん、俺に渡すものない?」

「ない」

「え、即答ですか!今日何の日か知ってるでしょ!?」


「知っててもお前にあげる義理はない」


そうバッサリ言ってスタコラ去っていた寺ちゃん。

予想してたつもりだったけど、思ったよりショックだった。


(なんだかんだ言って、期待してたんだなあ)


「梶田〜」

クラスの女子が俺を手招きする。女は教室のドアを指差して


「呼んでる。」

教室の入口には知らない女の子が立っていた。


あーー…
そういうこと…


俺は心の中で苦笑しながら女の子のもとに向かう。


「なに?」

「あの…これ」

女の子は顔を真っ赤にしながら俺にチョコを差し出した。




「ありがとー」

俺はチョコを受けとった。顔中に張り付けた笑顔で。





俺が一番ほしいのは

愛しい愛しいあの子からのチョコレートなんだけどなあ…




放課後、俺は靴箱で寺ちゃんを待っていた。用事があるって、呼び出されてるんじゃなかろうな。可愛い可愛い寺ちゃんのことだ。男にだって告白される。


大変だ!寺ちゃんが危ない!


俺は慌てて寺ちゃんを探しに行こうとしたとき、少し怒ったような顔をした寺ちゃんが前から歩いてきた。


「寺ちゃん!誰にも襲われなかった!?」

「はあ!?」

寺ちゃんは目を見開く。んなわけねえ!と俺を睨んだ。良かった。襲われていないみたいだ。安心した。


にしてもなんか機嫌悪い?


「寺ちゃんどうしたの?なんか嫌なことでもあった?」

「……って…」

「え?」

声が小さく聞き取りづらい。




「嬉しそうにしやがって!」

寺ちゃんが涙目で俺を睨んだ。

え…?

「ちょ、寺ちゃん!一体なに!?」


「…チョコもらっただろ……」

寺ちゃんは今にも消えそうな声でつぶやく。




「あんな嬉しそうに…俺のいる前でもらいやがって!!」

そう言った寺ちゃんの顔は今まで見たことのないくらい、つらく悲しそうだった。



「買うんじゃなかった!」

寺ちゃんは俺に何かを投げつけ、俺に背を向けて走り出す。


寺ちゃんが投げたそれは床に落ちた。それはチョコだった。俺は目を丸くしながらそのチョコを拾った。




可愛い可愛い俺の恋人


ツンデレで不器用なあの子が俺は大好きです


「寺ちゃん!」

俺は急いで小さい背中を追った。
すぐに追いついて、俺は寺ちゃんをぎゅっと抱きしめた。


「離せ!」


俺の腕のなかで、もがく小さな体。

「ねえ、寺ちゃん…ヤキモチ?」

「…っ」


ピタリと寺ちゃんの動きが止まる。寺ちゃんは耳まで真っ赤だった。


「嬉しい」

「、ちがっ」


「違わないでしょ。…チョコ用意しててくれたんだ」

「………」


「俺は寺ちゃんからチョコもらいたくてもらいたくてしかたがなかった。だからすごい嬉しい。」


「でもっ、あの子に笑いかけたじゃないか!」

「そりゃあ、ムスッとしてたらあの子に失礼でしょ?そんなひどいことはできないよ。大丈夫。心配しなくても俺は寺ちゃん一筋だから。」


「…バ梶田」

「え、ちょっと変な呼び方やめてよ」



「…好き」



なにこの子!

可愛すぎる!


俺はさらにぎゅうっと寺ちゃんを抱きしめた。


「ちょ、梶田っ」


「大好き」

「…っ、…俺も…」




おわれ


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普段の寺ちゃんはもっと辛辣だと思われ
年に数回あるかないかのデレ期










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