臨也→ライトボウガン
静雄→片手剣
新羅→太刀
ドタチン→ガンランス






「尻尾! ちょっとみんな尻尾は頼んだよ!」

俺ボウガンなんだからね!

と叫ぶ臨也の声が、生徒たちのいなくなった教室に響く。

放課後の、夕日差し込む教室で、臨也たち四人は小型ゲーム機に視線を落とし狩りに興じていた。
昼間の喧騒が嘘のような広い空間に、グラウンドから聞こえる野球部の掛け声と飛竜の咆哮が並列して反響する。

「うーん、一応狙ってるんだけどこいつ尻尾の位置高いんだよね……誰かシビレ罠持って来てないの?」

「ああ、俺持ってきた。仕掛けとく」

「ドタチンさっすがー! それに比べてシズちゃんなんなの! いつまで片手剣使ってんだよ! 舐めてんのか!」

「手前こそ片手剣舐めてんのか! こういうのはな、一番王道の武器が一番使い易いもんなんだよ! 尻尾が欲しいんなら近接で来いや!」

「俺は遠距離専門なのー!」

「おい、お前ら戦わねぇんならせめて回復使えよ」

京平がため息混じりに言う。

硬く強大な巨体を相手に極端にリーチの短い片手剣で挑む静雄のアバターは、周りをうろちょろしていくらかつんつんと突付くと、すぐに尻尾にぶち飛ばされるか突進に巻き込まれるかを繰り返し、傍目に見ても総攻撃量はボウガンである臨也の方が多そうだった。

竜撃砲を頭に打ち込み角を破壊した京平は、その反動の隙を突かれて体力が激減していた。

「わ、ほんとだドタチンが死んじゃう! 新羅早く粉塵粉塵!」

「やべ、俺も死にそうだわ新羅早く粉塵使えよ」

「ちょっと、僕ばっか頼んないでよ! 君たちが全然使わないから僕竜の爪買ってまで粉塵作ってるんだからね!」

「何言ってんの新羅医者なんでしょ」

「関係なくね!?」

そうこう言っている間に静雄のPSPから悲嘆的なメロディーが流れる。
その後すぐにディアブロスがエリア移動してしまったので、運び係りの猫の鳴き声がより虚しく響いた。

狩り開始から約十分現在である。

「ほらぁーもー報酬金減っちゃったじゃん! マジシズちゃん使えない! これだったらうちの猫連れてきた方がまだ役に立つわ!」

「うるせぇー! 手前んとこの猫っつったって平和主義で採集しかしねぇだろうが!」

「まぁそれでもアイテム取って来る分シズちゃんよりはマシだよ!」

「途中こそこそ抜けてキノコ取りに行ってた野郎には言われたくねぇんだよ! 知ってんだぞ!」

「それとこれとは話が違いますぅ! 少なくとも俺はシズちゃんよりは確実に働いてますぅ!」

「んだとテメやんのかコラァ!」

「あ、尻尾切れたよ臨也」

「まじでか」

本気腰で喧嘩していると思った二人は、新羅の声にすかさず剥ぎ取りに向かった。
こんなときばかり息が合っている。
とはいえ、もちろん背後にはディアブロスが怒り来るって屹立している。

「やったー。これで武器強化出来るー」

「ボウガンか?」

「んーん、弓」

「おいって! お前ら戦う気ゼロか!」

突進して来たディアブロスの足に二人が触れそうになるのを、京平がガードで何とか逸らす。
ガンランスの切れ味が大幅に下がる音がした。

「おおっ、今の神避けなんじゃない?」

「俺がな! あーもう面倒くせぇから捕獲すんぞ。俺落とし穴持って来てる」

「僕麻酔玉持って来てるー」

「俺タル爆弾持って来てる!」

「捕獲すんだっつってんだろ!」

「俺ツルハシ持って来てる」

「お前は協力する気無しか!」













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拍手お礼がこのようなものですみません……。
ぱちぱちありがとうございました!





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