「っ!!そ、そんなところ触るんじゃねえ!!」
「でも、ここを触らないと出来ませんし」
「そこは、うんこをするところだ!!」

俺が必死になって叫ぶと、ジェノスは残念そうに顔を歪めると、首を傾げる。

「もう…色気も情緒もないですね」
「俺に色気があるわけないだろ!!」
「まあ、そういう所が好きなんですけど」

そう言いながらジェノスはニイと不敵に唇を吊り上げた。

「ここに俺のを入れるんですよ」
「っ!」
 
目を見開いて絶句するが、ジェノスは、口角を上げて笑うばかりだ。
 
「女の子みたいにぐちゅぐちゅにしてあげますからね」
「や、」

あまりの事に絶句し、弱弱しく首を振る事しか出来ない。しかしジェノスはそんな俺を気にする事も無く、親指で数回穴の回りを撫でると、ぐっと突き立ててくる。

「んっ!」
「まだ硬いですね」

当たり前だ!!と言いたいが、痛みのあまり声が出ない。ジェノスの指を硬く拒むそこをぐぐぐと強引に割り開いてきて、馴染ませるように親指をぐりぐりと回される。

「いって、え」
「大丈夫、次第に気持ち良くなります」

それはいつなんだよ!と叫びたかったが、やはり言葉にならず、口から出るのは気色の悪い俺の呻き声だけだ。

「ん、うっ、あ」

ぎゅうと瞼を閉じて必死で耐えていると、唐突にもう片方の手で萎えていた性器を握られる。

「うわっ」

思わず声を上げてしまう。

「ここ擦りながらやると、もっと気持ち良くなりますよ」

先端を親指の腹で擦られながら扱かれると、ビリビリと変な感覚が体を襲う。

「やめ、」

嫌な予感しかしない。

「大丈夫です。俺に全部まかせて」

それが一番怖いんだって!いつのまにか涙が止まらなくなっていて、ツウと目尻を通って流れ落ちていった。
性器と穴を両方いっぺんに責められて、痛いのやら気持ち良いのやらよく分からない。しゅっしゅっと音が鳴って、穴に指を入れられた痛みで萎えていた性器がだんだんと再び硬くなっていくのが自分でも分かる。

「う、っ…もう、やめ…ぁあ…」

あまりの羞恥と、自分の身に起こる訳も分からない感覚に怯え声を出すが、ジェノスの手が止まる事はない。
次第に性器から汁が溢れてきて、ぐちゅぐちゅと音を鳴らしながら手の滑りを良くしていった。

「ん、やめっ、もう、あっ」

めちゃくちゃ恥ずかしくてたまらなくて、俺は無駄だと分かっていても顔を振り続けていた。恥ずかしいし痛いし、マジで最悪だ!
無理やり圧し開いて捩込まれたものの、何度も抜き差しされるうちに、いつのまにか親指と人差し指でぐいっと広げられて、中を見られていた。酷い圧迫感に息すらまともに出来ない。

「もう人差し指と中指が入ってます」
「も、無理だ、」
「もう少し」
「や、め」
「もっと慣らさないと、痛いのは先生ですよ??それとも先生は痛いのが良いんですか?」

違う、と弱々しく首を振る。

「なんだ、そうだったらすごく興奮したのに」

ジェノスは残念そうに言いながらもクスクスと笑い声を上げる。

「まあ、初めてですから、痛いのは当然ですよね。この辺りで一度イッておきましょうか」

そう言うと、唐突に俺の性器を扱いていた手のスピードが上がる。

「う、あ」

手が早くなるにつれ、先走りがどんどん溢れてきて、興奮で全身が熱くなるのが分かる。ジェノスの舐めるような視線を感じ羞恥に耐えながらも、体は正直で気持ち良くなっていた。

「…っふぁ、……あ、ぅ…」

他人に扱かれるというのはこんなに気持ちの良いものなのか。何度も腰が浮いてしまう。ぐちゅぐちゅと卑猥な音が鳴るという事は、それだけジェノス指を濡らしてしまっているという事で、めちゃくちゃ居た堪れない。でもジェノスの手の動きは的確に俺を射精へと押し上げていき、もしここで止めたら俺が辛いので、嫌だと言えない。脳が沸騰しそうなくらい気持ちが良かった。
 
「あっ、く…、も、出る…じぇ、のす、」
「そのままイってください」

もう少しでイケると言うところで、穴に入れたまま動きを止めていた指が、唐突に挿入を繰り返し始める。

「あ、っああ、っ」

穴に繰り返し突き入れられる指の痛みと、扱かれる快感がごちゃまぜになって、何が何だか分からぬまま途端に声も我慢できなくなるくらいの快感が脳髄を焼く。目の前が真っ白になった。

「っあああ、ぁ…ッイク」

ぶるりと身体がふるえ、盛大に射精していた。

「はっ…、ぁあ…、」

あまりの快感に何も考えられず、ただ呆然とするしかない。全身に汗が噴き出ているのが分かる。意識朦朧としながらも瞼を上げると、濡れてたらたらと残った精液を垂らしながら、未だ硬度を保ったままの自身が目に入る。

「先生、気持ち良かったですか?」
 
くすりと笑われ、恥ずかしくなる。俺が内心消えたくなっていると、ジェノスは俺に覆いかぶさってきて、ちゅっと優しくキスをしてきた。見上げるとジェノスは目を細め恍惚を俺を見下ろしていた。

「先生のイク時の顔、すごく可愛いです」

ほう、と吐息を漏らしながらジェノスが囁く。俺の羞恥は益々高まった。

「やめ、」

思わず視線を逸らすと、ジェノスは上体を上げて、うっとりと呟く。

「俺の指をぎゅうぎゅう締め付けて、先生のこことってもいじらしいですね」

入れていた指が抜かれ、ホッとしかけた瞬間、今度は今まで俺のを擦って結果精液で濡れてしまった指を挿入してくる。

「っ!あ、」

精液のぬめりを借りて、簡単に指の根元まで挿入を果たしてしまう。すぐに三本の指が追加されていって、深くまで突き刺され、素早くピストンされた。

「ふぁっ、あ、っ」
「先生可愛い」

そんな事を呟きながら、俺の穴をどんどんと溶かしていく。入り口が引くつくのが分かって、死ぬほど恥ずかしくなる。
先程まではジェノスの指を吐き出そうとしていたのに、いつのまにか何の抵抗もなくなっていて、逆にもっともっと奥にって思っちゃってる自分が非常に呪わしい。
出口を求める熱が、更に加速して溢れていった。

「ふふ、先生涎垂れてますよ?そんなに気持ち良いんですか?」
「ちが、っ」

首を振っても、実際に穴に指を入れているジェノスには、俺の興奮が丸分かりだろう。きゅうきゅうと誘い込むような動きをしてやがるのだ。もう、言い訳も出来ない。

「もう、良い頃でしょうか?先生…、俺もう我慢出来ません」 

ずるりと指が抜かれたかと思ったら、ソファの上から重みが無くなり、スプリングが跳ねる。衣擦れの音がして、何事かと目を開くと、ジェノスが焦ったように服を脱いでいた。そして、ガサガサと下半身が暴かれ現れた物を見て、俺は目を見開いた。

「ちょ、」
「もうこんなに硬くなっています」

ジェノスは全ての服を脱ぎ捨て、俺に圧し掛かってくる。

「ま、まて、そんな」
「早く先生の中に入れたい」
「だ、駄目だ、そんなの入らねえって!」
「充分に解したんですから、大丈夫です。俺を信じて」

そんな巨根を俺の穴に躊躇いもなく入れようとしてる奴なんて信じられるはずがない!!!
俺は手足をバタつかせるが、ジェノスが圧し掛けてきて、俺は苦しさに呻く。

「大丈夫、すぐに気持ち良くなりますから」

その自信満々さはどこから来るんだよ!と言いたかったが、ジェノスが俺の足をぐいっと開くものだから、声は悲鳴へと変ってしまう。

「お、おい」

反り返った性器が穴にぴたりと付けられると、ぐっと力が込められて、まだまだ狭い穴を割り開かれていく。先端が入り口にもぐりこむと、じょじょに慣らす事もなく、あっついあっついジェノスの性器で貫かれた。俺は声にならない叫び声を上げ、体を弓なりに反らせた。

「ね、…入りましたよ、全部」
「…っ、う、嘘、だ…、っはいらな…」
「入ってますって、ほら」

言いながら腰をぐっと押しつけられ、呻き声が出てしまう。俺の尻と奴の下半身が密着していることで本当に入ってしまっているのだと弥が上にも実感してしまう。呆然と涙が溢れてくる。
男同士でやる時は尻の穴を使うという知識は頭の隅にあったものの、それも薄ぼんやりとしたものだ。まさか自分が体験するとは露も思いやしない。こうして実際に経験し、尻の中に性器が入っているのだと思うと、サアと顔が青ざめた。俺の尻穴壊れてないか!!??
本来出すだけの場所で、決して入れる場所ではないのだ。俺の尻穴は、指だけでぎちぎちになるような硬さだ。精液と指で丹念に解してはくれたが、ジェノスの巨根がすんなりと入るわけがない。
まさか本当に入っているわけがない!と実際痛みを感じているはずだが、信じ込むことが出来ず恐る恐る見下ろすと、俺の下半身に、ジェノスのどすぐろい物が突き刺さっていた。繋がっている場所を改めて確認し、ガアンと酷いショックを受けた。俺、処女捨てちゃったよ…!なんて生娘みたいな事を思っていたら、いきなり、ジェノスが腰を揺すってきた。

「あ、馬鹿…っ!いってえ」

俺はいやいやと首を振るが、ジェノスが俺の腕を押さえつけ、ゆっくりと突き上げてくる。

「やめ、マジでいてえから、」
「ああ、気持ち良いです」
「一人で感じてんじゃねえ!」

ジェノスを押し返そうとするが、ぐっと腰を押し付けられると、ゆっくり引き抜いてまた叩き付けられる。俺の言葉をまるっと無視して、だんだんとストロークを大きくしていきやがった。

「センセイ、力抜いて、俺もう、」
「馬鹿、アホ、早漏、チンカス」

思いつく限りの暴言を吐くが、ジェノスは気にした風もなく、なおも腰を動かしてくる。

「もうやだ、っやだ、」
「…っ、きゅうきゅう締め付けてくれるのは嬉しいですが、もっと奥に入りたいんです」

もうこれ以上奥なんてねえよ!と言ってやろうとするが、ジェノスは俺の腰を掴むと、ぐっと下半身を押し付けて勢いよく突き入れてくる。

「うっ」

思わず呻き声が出た。奥の奥、入ってはいけない所を無遠慮に抉じ開けられたような感覚に、体が震える。ぐいぐいと押し入ってくる熱く脈動する性器に、目の前がスパークする。

「や、っあ、あ、あぐっ…ぁ」

ごつごつと音がするのでは、と思うくらいの奥に辿り着くと、容赦なく揺すられる。内臓を押し上げられるこの感覚は、拷問かと思うくらい苦しかった。

「っ、あ、、あ、い、た、ぃああ」
「…っああ、先生、好きです、気持ち良い、先生」

上擦ったような声で言いながら、パンパンと腰を貫かれる。目を開けると普段からは考えられない程必死な形相のジェノスが居て、俺は眩暈を覚えた。ジェノスは十代の花盛りの時期だ。そんな時に、こんなハゲの男に欲情して、あまつさえ尻の穴に入れて腰を振って。…馬鹿すぎる。でもその時の俺は、何故か胸がきゅうと締め付けられていて、感情の波に流されないように必死で耐えていた。可愛いだなんて、ジェノスのたくましい肩に手を回したいなんて、そんな事思っただなんて、信じたくない。否定するように首を振る。

その秀麗な眉を切なげに顰めて、汗だくになっている姿を見ると胸がどきりとさざめいた。ああ、こいつは俺の体でそんなに気持ち良くなれるのか、と思うと、ぎゅうって抱き締めたくなった。って俺の馬鹿!

「あ、っあく、ぅあ、あ、あ…」

十代らしく相手を気遣うような挿入なんて全く、最初からガンガン激しく突き上げてきやがってすげえ腹立つが、その余裕のなさが何だか可愛く思えてきて、俺は首をまたも振る事になった。絶対認めたくねえ!

「あ、あ、っぅあ」

俺の性器は未だ萎えず、しかし中だけの刺激で達するには決定打がない。(ジェノスの必死顔に萌えてあやうくイキそうになったなんて事は絶対有りえない)もう恥ずかしさなんて、この際置いておいて自分で擦っちまおうかと、揺さぶられながら手を伸ばそうとすると、その前にジェノスに手首を掴まれてしまう。

「先生は触っちゃダメ。今日は俺が全部やってあげるんです」

やけに嬉しそうに言いながら、俺のぐちゃぐちゃに汁を零す性器を扱き始めた。気持ち良いと思った瞬間、奥をゴツンゴツン突いてくるものだから、良いのか悪いのかさっぱり分からなくなる。俺は狂ったように首を振っていた。
扱かれる度、先走りの汁がぱたぱたと腹に零れ落ち、今や唾液やら涙やら、二人分の汗やらで全身どろどろだった。ぬるつく足を持ち上げられて、俺の体の横に手を置くと、またガンガン突き上げられる。性器の裏側を親指で押すように扱かれれば、気が狂うくらい気持ちが良かった。

「あ、あっ、も、やめ、」
「先生、すごく……きつくて」

そんな熱っぽい吐息で言われても、何て返せばいいんだよ!

「俺のをきゅうきゅう締めつけてます」
 
実況しなくて良いから、早く終わらせてくれ…。もう訳が分からん!
自分がどうかなっちゃうんじゃないかって、恐怖と不安、それとこのままイケればどんだけ気持ち良いんだ、っていう少しの期待で、頭の中がぐわんぐわんしていた。

「センセイ、もう、俺、」

押し出そうとする俺の肉に、張り出した先端をただ一心不乱にツッコむ姿は、まあ、10代の男だもんなで片付けられるが、俺の性器を必死で扱き、俺のぐちゃぐちゃの顔に何度もキスしてくる辺り、気の迷いや穴があればそれで良かったなんて心境では無さそうだ。では、マジなのか?マジで、俺の事を好き?…マジか!

「イキ、そ、…先生…!」

そんな事しっとるわ!ジェノスの性器が、もう少しで射精するんだと察知できるくらいビンビンに中で脈打ってたのだ。それは俺がジェノスのをぎゅうぎゅう締め付けてるからなのだが、自覚したら死ぬほど恥ずかしくなったので、気付かなかった振りをした。

「あ、じぇ、のす、あ、っ、あ」

擦られているうちに、最初は違和感と痛みしかなかった穴の中が、いつのまにか敏感になっていて激しい突き上げにヤバいくらい感じてしまっていた。だからこんな喘ぎ声も出てしまう。ジェノスの巨根が、どこか俺の知らない良い場所を突くせいだ!

「ぐ、先生、もう、」
「だ、ダメ、だ、なか、だめっ」
「もう、あっ、センセ、」

ピストンが乱暴になって肌のぶつかる音も大きくなる。限界ギリギリなのは分かるが、俺の叫びも耳に入れてくれ!

「なか、ダメだ、なかぁ…!」
「セン、セイ、もう、ダメ、」

奥をぐんぐんと突き上げられ、乱暴に性器を擦られると、電流が全身を走ったみたいに痺れ頭が真っ白になる。

「あ、っあ、あああーー」

俺は盛大に喘ぎ、びくびくと全身を痙攣させながらジェノスの手の中に射精していた。
イッて敏感になってる中でジェノスが動くから、もう動くな止めろ!とジェノスの胸板を押すが、繋がった部分の卑猥な音は止まない。

「う、くっ、イクっ」

途端、色っぽいジェノスの声が耳元で聞こえたと思ったら、ぐっと奥の押し込まれ、そして脈打った。

「なか、は、ダメだ、…」

意識朦朧としながらも、じわりと温い感触が広がって今まさに中に出されていると分かっていたが、思わず口にしてしまう。
中に出さないって言った奴誰だよ…。俺は酩酊していた頭で、呆然としながらも天井を見詰めていた。ただ普通に擦って射精した時とは違って快感の波がスウとすぐには引いてくれず、頭の中のモヤが消えてくれない。ジェノスも暫く俺の覆いかぶさり、息を整えていた。

「センセイ、」

少し経った後だ。ジェノスがむくりと起き上がった。さすが若いだけある。復活が早い。俺ははまだ上手く言葉を発せそうに無く、億劫そうにジェノスを見上げる。

「先生?」

気だるげに前髪を掻き上げる姿にキュンってなっちまった!悔しい!

「先生…さっき中はダメ中はダメって、何度も言ってましたけど、もしかして妊娠しちゃうんですか?」

ピシリと固まってしまった。先程胸キュンしちまった瞬間を返してくれ!

「センセイ、俺の精液で赤ちゃん孕むの?」

甘えたような声で首を傾げられ、再び胸キュンメーターがぐぐぐと上がっていくのが分かった。(バカすぎる)

「お前が言ったんだろぉ!」

赤らんだ顔を腕で隠しながら言うと、ジェノスはその腕をどかそうとする。暫くの攻防戦の後、俺の敗北に終わる。俺の腕を押さえつけているジェノスを憎たらしい目で睨みつけていると、少しの間考えるような表情をした後、何も間違ってませんと言わんばかりの真剣な表情で言い放ってくる。

「お尻に出すのは許してもらえませんよね?とは聞きましたが、出さないとは言ってませんよ」

やけにスラスラ言われた言葉にぶち切れそうになったが、腕が押さえつけられているため、ここは我慢するしかない。視線を下にずらすと、高級そうなソファがどろどろになっているのが見えて、溜息が出る。

「片付けが大変そうだ…」
「俺が全部やりますよ。先生の体をキレイにするのも」
「ばっか、俺は女じゃねえ、それくらい自分でやる」

俺はやれやれと肩を竦めながら言う。するとジェノスが黙ってしまったので顔を上げると、むっと気分を害したような表情を浮かべていた。

「俺は先生の彼氏なんですから、これくらいは当然の事でしょう!?」
「か、彼氏?」

俺が驚愕すると、ジェノスが真剣な顔で詰め寄ってくる。

「先生って付き合ってもいない人とでもセックス出来ちゃうんですか?」
「は、?」
「先生ってそんなふしだらな人なんですか!?」
「ち、ちげえよ!」
「ほら、だったら俺と付き合ってるって事じゃないですか!」

何がほらだ!そんな自信満々の顔で屁理屈言うんじゃねえ!俺が苦い顔でジェノスを睨みつけてると、ジェノスは無表情で俺に顔を近づけてくると、ニタリと凶悪顔で笑う。

「先生認めちゃいましょう?」
「え」
「俺の事好きだって、ね?」

そう言ってニッコリと微笑む顔は、普段の無感情ぶりからは全く想像出来ない面である。

「……お前、裏で冷酷王子って呼ばれてるの知ってる?」

俺が飽きれ顔で言えば、ジェノスは嬉しそうに笑って、頷く。

「ええ、知ってます。別に構いません。誰に何を言われようとも。それに先生は呼ばないでしょう?」
「お前は変態王子だ」
「そう呼ぶのは先生だけです。だって先生にしか俺の変態スイッチは押せませんから」

俺は苦い顔でジェノスを見上げていた。馬鹿すぎる…!だがしかし一番の馬鹿は、誇らしげに、心底嬉しそうに言い放つジェノスに胸がキュンってなっちまって、ぐうの音もでない俺なのである。


25/5/15



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