今回は珍しく原作沿いの二人。でも内容は相も変わらず溺愛攻め×ちょっとだけツンデレな先生。
やっぱりラブラブイチャイチャしてる二人です。


5P〜10Pのサンプルになります。
R18要素を含みます。ご注意くださいませ


 あれはいつだったか…数週間くらい前の事だったろうか…、いつものように家でジェノスとセックスをした後、まどろんでいると、ジェノスが唐突に俺との仲を世間に公表したいと言い出したのだ。気だるい体が一気に持ち上がる程に驚いてしまった。
『何言ってんだよ?』
 飛び起きて、横に寝ていたジェノスを驚きに見るとジェノスは目を細めて切なげに俺を見上げていた。
『あなたが俺ものだって、言いたい、世間に言いふらしたい』
『・・・・・』
 俺は何も言えなくなっちまった。こいつがしばしば、俺の浮気?というか、俺を誰かに取られちまうんじゃないか、っていう心配をしているのを知っていたし、言われていたので、理解していたつもりだが、根は思っていたより深かったようだ。
『今のままじゃダメなのか?』
 聞くと、一瞬目を細めた後、ジェノスは無理して笑ったように口角を小さく上げた。
『嘘です、冗談です』
 そう言うと、薄く笑いながら目を伏せてしまった。さっきの言葉が嘘や冗談でないことは、鈍感な俺でも分かる。無理させてんのかな?って思うと胸がきゅうと締め付けられた。でも世間的に、男同士で付き合っていると公表するのはまずいし、ジェノスにとってもマイナスしかないだろう、と俺は思っていた。でもこのままじゃダメなことも俺は分かっていた。俺のわがままばっかり受け入れてもらってジェノスに悪い、と常々思っていた。だから俺は意を決し、告げる事にしたのだ。
『みんなに言うのは無理だけど、…他の願いならかなえてやるよ。何か俺にしてほしい事ねえの?』
 言うと、ジェノスはきょとんと、目を丸くさせた。
「なんでもいいから」
 そう言いながら再びジェノスの横にごろんと寝転がる。そのまま目線を送った。ジェノスは突然の事に驚いていたようだったが、すぐに口ごもるような様子を見せ、俺が『なんだよ?あるんだろ?』と催促してようやく口にし始めた。
『でしたら、俺の奥さんになってください』
 これには俺が驚愕する番だった。
『は?奥さん?』
 渋い顔で問うと、ジェノスは真面目な顔をしてこくんと頷いた。俺は急速に脳を働かせ考える。奥さん、となると、結婚するって事か?
『でも、結婚は・・・』
『それはいいんです』
 そう言うから思わず口を噤むと、勘違いしたと思ったのか慌てたようにジェノスが訂正してくる。
『いや、したいのは山々ですが、今のところ法律的にも出来ませんし、事実婚となると、公表しなくてはなりませんし・・・』
 言って、真剣に俺を見つめてくるから、俺も真剣な顔をして、こくんと頷いて先を促した。
『だから、二人の間だけでも先生と夫婦になりたいなって思いました』
『・・・』
『これなら法律も、世間も関係ありません。二人でいるときだけで良いので・・・・・』
 そう言ってジェノスは目を伏せる。そのあまりに切なく、悲しげな顔が、まるで俺が端から拒絶すると決め込んでいるような表情だったから、俺は憤慨した。と同時に、愛おしさでどうにかなりそうだった。
『いいよ』
 軽い口調で言うと、ジェノスはばっと勢いよく顔を上げた。
『え?』
『だから、いいよ』
 ジェノスは口をポカンと開けながら言葉を失っていたようだ。
『二人でいる時だけは、俺たちは夫婦って事な』
 その時のジェノスの嬉しそうな顔を、今でも鮮明に覚えている。嬉しそうっていうか感激していた。ついでに感極まって嬉し泣きしていたっけ。そんな反応を示されて嬉しくないはずがない。ジェノスにすり寄りながら、喜びを噛みしめていると、ふと疑問が湧いてくる。
『でもなんで俺が奥さんなんだよ?』
『だって先生が本来、奥様の役割である、挿入される方、』
 言い終わらない内にぶん殴ってしまったのは言うまでもない。
 と、長々振り返ってしまったが、こういう経緯で、二人っきりの時は俺がジェノスの奥さんでジェノスは俺の旦那さんって事になったらしい。
「先生の、その一言でどれだけ、俺が歓喜した事か」
体をまさぐられながら、熱い吐息で囁かれ、俺はびくんと体が跳ねてしまう。
「帰ってくるまであと15分。ね、早く終わらせた方がいいです」
 やらないって手は端からお前の頭の中には無いのか!
「一回だけで終わらせますから」
 耳に直接濃くて熱いジェノスの声が囁かれて、俺が身もだえている間にも、あっていう間に体を反転させられると下着をずらされ、ジェノスの手が俺の性器を直接愛撫してくる。好きなやつにこんな事されていつまでも抵抗できるわけない、うなじやら耳のあたりやら、俺の弱いとこもジェノスは唇で吸い付いたり噛みついたりしてきて、全部気持ちよくて正直腰が抜けそう。
「可愛い、先生・・・、俺の奥さん」
 うっとりとジェノスが囁いてきたかと思ったら、Tシャツをまくり上げられて、尻の穴に何かを塗り付けてきた。恐る恐る振り返り、そして息を呑む。何だよそれ、いつも使っているローションじゃねえか。てかさっきも思ったのだが、こいつはなぜコンドーム(しかも箱で)やローションを持っているんだ?今日はただヒーロー協会に呼び出されただけなのに。もしかして常に持ち歩いてんのか?と、いうかそもそも、これらをどこに仕舞いこんでいたんだ?こいつ手ぶらだったよな?ま、まさか体のどこかに収納があって、そこに常に入れてるとか?そんなまさか…!??
「う、わ」
 俺がつらつらと考え事をしている隙にも、器用に穴の皺の一筋一筋、指の腹でローションを塗りつけていたジェノスの指が、急に向きを変えて遠慮なく突っ込んでくる。
「あ、っ、っ、……あ、マジ、か」
 ジェノスの、太くて硬い指。付き合ってからもう何度となくこの指の腹で俺はイかされていて。あぁ、もうここまでされたら、だめってもう言えねぇだろ、
 指で突かれる度に、強烈な電流が走る。俺のただ排便だけに使われていた尻の穴が、ジェノスの指によって性器に変えられていくのを感じながら、快感に酔いしれる事しかできない。ぐちゃぐちゃと音を立てるそこは、自分の体の一部なのに、まるで別のものに感じてしまう。ここにジェノスの性器をねじ込まれ、ぎゅうぎゅうと締め付けるのだ。そう思うとぞくぞくと体が震える。
 しかし、またも俺は思い出すことに成功した。少しだけ残っていた理性で何とか絞り出すようにして声を出す。
「ゴム、ないなら、ダメだって」」
 さすがに何の準備もしていないと、後片付けが大変だろう。時間もない。そうだろ?自分に言い聞かすようにしながらも、後ろのジェノスを振り返ると、凶悪な顔で盛大にちっ、と余裕のない舌打ちをした。
「……くそ、こんな時に限って・・・!!なんで俺は、残りの数をチェックしてなかったんだ!」
「……」
 そこまで悔しがらなくても…。しょうがねえだろ。俺だってここまでされてお預けとか正直きついけど、我慢するしかない。ジェノスだって一応大人だし、分かってくれるだろ。
 諦めて何とか興奮を抑えようと、息を整えていた俺の背後で突然謎のごそごそと衣擦れの音が響き始め、何事かと振り返る隙もなく、唐突に俺の尻に大好きな感触が当たった気がしてびくんと体が跳ねてしまう。え、何、まさか…。恐る恐る振り返ると、ズボンの前を寛がせたジェノスが下着から性器をいつのまにか出していた。
「ちょっとまてまてまて! ゴムねえならやめ、」
 生でヤったらお前絶対我慢出来ないだろ?やっぱりゴムを付けないほうが気持ち良いらしく、風呂場でやる時など後処理が楽な時は付けないでエッチをする。そんな時はひたすらジェノスは興奮して、あれは最早獣である。2、3度は当たり前なのだ。
 あの時を思い出し、必死で逃げようとしたが、ぐっと腰を掴まれて、尻に性器を擦りつけられると、俺はとたんに体が固まってしまう。これから来る快感を体が覚えちまっているんだ。条件反射的に、俺はジェノスの性器が入りやすいように尻を高く上げていて、理性よりも本能が何より勝っていたのを思い知ってしまった。ちきしょう!
 先っぽ、なんて可愛い響きに見合わないジェノスの先端が俺の中をこじ開けてくる。ああ、熱い。ゴムがないから直接粘膜にジェノスの熱いのを感じてしまう。ジェノスのこぼす汁とローションが混ざり合って、俺の肉と擦れて・・・・・・。ああもう、ぞくぞくしちまう。 
「ああ、!!…あっ、」
 ぐん、と最初から容赦なく突き入れられ、それが奥まで行き着くと、電流が一気に走ったみたいに体が震え、足ががくがく震えてしまう。机に突っ伏しながらも今やつま先で立っているようなものだった。神経が全部尻の奥から内臓、骨を伝って瞼までびりびりと震わせる。ああほら、生でヤるとこうなっちまうんだよ。せめてゴムがあればこんなに目がチカチカしないで済んだっていうのに!
「うああ……っ、う、」
 壁を何度も何度も擦られながら突き上げられると、快感が全身に駆け上がる。
「そ、、んな・・・、ふかっい」
 いくら興奮しているとは言え、そんな奥までダメだ。俺のうわ言のような声にジェノスも快感にうなりながら囁く。
「気持ちいいでしょう?俺も気持ちいいです」
そもそも俺の答えなんて聞く気ねえだろ!っていうか、聞かなくても分かるだろ。自分でも分かるくらいぎゅうぎゅうに締め付けてんだからな。
「あ、っあ、あ、っ」
 奥まで挿入を繰り返していたジェノスが、慣れたように角度を変えて抉ってきて、息が出来なくなるほどだった。酸素を求めるようにぱくぱくと口を開閉する。あまりに気持ちがよすぎると、脳がどろどろに溶けて、まともに息すら吸えなくなる。もう何もかも考えられなくなって、ジェノスの事で頭がいっぱいになっちまう。ああ、もうヤダ。俺の性器はさっきから触りもしないのにだらだらと汁をこぼし続けているし、いつのまにか中だけでイケるようになっちまったし。何もかも後ろのジェノスのせいである。
 あっ、イク、やだってこんなの。こんな気持ちよすぎんの、もうダメだって。
 俺の脳内の呟きは発する事も出来ずに、ただひたすら喘ぎ声へと変わる。しかしここは家ではない。少しだけ残った理性で、大声はまずい、という事だけは思い出すことが出来た。
 しかしこんな時のジェノスは容赦がない。俺の一番感じるところばかりを的確に突いてくるからな。俺は声にもならないよがり声をあげてひたすら耐えまくった。ジェノスは本当に意地悪だ。俺にもっと鳴け、と言わんばかりに突き上げてくる。
「だめ、だめだ、」
 何言っても止まるはずもない。
「い、くっ・・・!」
 手で口元を隠しながら、俺は押し上げられるように射精していた。しかしジェノスの動きは止まることはなく、俺はただ身もだえすることしかできない。
イくのが、止まらない。ぞくぞくと、脳内に、視界に、星のようなものが点滅し続けている。机にしがみついて衝撃に耐えていると、ジェノスが俺の腰をさらにむんずと掴み上げてきて、今度はたたきつけるみたいに突き入れてきた。
「なか、だめ、っ」
 そんな声は興奮の最中にいるジェノスに聞こえるはずもなく、何度か擦りあげた後、ジェノスの性器が大きく脈打ち、中で熱くはじけた。
ああもう、中はダメって言ったのに。文句を言いたいのに、俺は射精のままに腰を緩く動かすジェノスに、最後まで搾り取るように無意識に尻を突き出していて、自分でも呆れちまう。
「ああ、先生、気持ちいい、」
 うっとりと呟くジェノスが、俺の中を濡らしてくのがすっげぇ嬉しいって感じてる辺り、もう俺は末期なのだろう。
 あんまり気持ち良すぎて体がだるく、身動きもせず息を整えていると、しばらくしてジェノスが俺の中からゆっくりと出ていった。中の精液をこぼさないようにしなくては、とぐっと尻に力を入れていると、唐突に肩を掴まれて、ひっくり返されると、ぐいっと腕を引っ張られた。肩を掴まれて正面を向かせられると、ジェノスはとんでもなく甘い顔していて、文句の一つでも言ってやろうと思ったが、それも喉の奥に引っ込んでいってしまう。
 満たされたようなジェノスの顔に溜息が出るが、俺も我慢出来なかったのだから仕方がない。
「可愛い可愛い、俺の、奥さん」
 ……また、なに、こんな時に言ってんだよ。脳内で呆れつつも、照れてる俺も俺だけどな!
 戯れのように顔中にキスをされながらも、早く後処理しなきゃなぁとぼんやり思った。
顔を上げるとジェノスはまだうっとりしていて、ついイラっとしてしまい、額にでこぴんをお見舞いしてやった。
「何考えてんだよ」
 どうせエッチなことだろ。恨みがましく言うが、ジェノスが意に介した様子もなく、嬉しそうに俺を見ながら呟いた。
「初めて先生とエッチした日の事を思い出していました」
 こんな時間ないって時に、何思い出を振り返ろうとしてんだよ、とあきれ顔をしてしまうが、俺もついあの日の事を思い出してしまうのだった。
 何せ色々と大変だったものだから、否が応でも記憶に残ってしまっているのだ。





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