【3】のサンプルになります!R18


「ジェノス…」
普段は聞けないような舌っ足らずなサイタマのとろけた声が、びりびりとジェノスの背筋を震わせ、その声だけで達してしまいそうになる。奥歯を噛みしめ、動きを緩やかにして耐えた。
誰も見ていないであろう、男に抱かれて喘ぐ声も、快感に歪む表情も、全てを目に焼き付けたいと思った。水曜日が終わればまたサイタマはすぐに何時もの飄々とした顔に戻ってしまうのだから、こんなエロい姿を見られるのは自分だけであると、今だけでも優越感に浸っていたいのだ。
しかし出来るだけ長くこの時間を過ごしたいのに、繋がり出したらあっという間に時が過ぎていってしまう。
サイタマへ向かう欲望は留まる事を知らない。直接サイタマを味わうのは水曜日だけだが、頭の中では毎日犯している。サイタマに出会う前まではただ無駄に時が過ぎていた。しかし今では全ての時間がサイタマの事で埋め尽くされている。欲望が溢れて溢れて収まりがきかなくて、毎日悶々と過ごしている。それまでは事務的に処理していた性欲も、今では嘘のように有り余っていて、気が狂いそうだ。だからと言って他の人間で処理するなんて、考えないし、考えたくもない。サイタマに言った極度の潔癖症というのも本当だし、他人の粘膜に触るなんて死んでも嫌だというのも本当だ。サイタマ以外の人間に触れたいなんて全く思わないのだ。
しかし自慰ばかりの日々も結構辛いものである。他人で処理出来ればどんなに良いものか、と自分でもほとほと呆れてしまう。しかし欲望がサイタマにしか向かないのだから、もう仕方がない。こうして週に一度だけのセックスでも我慢できるよう、今思う存分貪っておくしかないのだ。
緩く突き上げながらちゅ、とサイタマの耳の後ろにキスを落として、薄い胸を撫でる。すべすべとした肌触りに恍惚としてしまう。胸の突起を指で摘まみ上げると、搾り取るように中がうねり、ジェノスは思わず呻いた。
「く、」
「んっ…ジェノス、…それ、いてえよ、」
両手の親指でぎゅう、と強く摘まんでいると、サイタマの咎めるような声が聞こえてくる。
「やめ、ろっ」
そう言いながらも、サイタマの声はどこまでも甘い。
「ジェ、ノス、」
「…センセイ」
押さえつけている凶暴な衝動がぐわりと、全身を駆け巡る。思わずごくりと唾を飲み込んだ。自分を失いそうになる。
何の気遣いもなく、遠慮もなく乱暴にめちゃくちゃに突き上げて、全身精液塗れにしてやりたくなる。ぐちゃぐちゃに汚したくなる。
「センセイ、好きです、大好きです…」
「あっ、」
「センセイっ、!!!」
狂おしい気持ちで目の前が真っ赤になっていくのを感じながら、ジェノスはサイタマの腰を乱暴に掴み上げていた。硬いソファに縋りつくサイタマの腰だけを突き出させ、ぐんと一気に深くまで貫いた。
「あ、あ、ああ!」
サイタマの背中が衝撃で弓なりに反る。もしサイタマに髪の毛があったら、引きちぎる勢いで掴み上げていたかもしれない。興奮しきりながら首輪でも付けていたら、引っ張り上げたいと思っていた。
ジェノスはめちゃくちゃに叩きつけるように腰を打ち付けていた。
サイタマの膝はがくがくと震えて、最早ソファを掴んではいられずずるずると落ちていき、床に這いつくばる体勢になった。それを無理やり腰だけを立たせて貫く。無理な体勢になり、サイタマの口からは苦しげな息が漏れた。
「あ、あ、あ、あ、」
「セン、セイ、センセイ、センセイ」
「、や、め、っ、や、ああっ」
ずんずんと強く打ち付けると、体の下でサイタマが声にならない声で泣きながらビクンビクンと震えていて、更に欲情した。ジェノスは次第に腰の動きを速めていき夢中で貫いていった。ギッチリとジェノスを締め付けてくる内壁に、頭がおかしくなるかと思う。欲に溺れる人間はなんて愚かなんだと考えていた過去の自分を思い出していた。今まさに自分はサイタマに出会い溺れ今は上がってこられない所まで沈んでいっている。でもそこは暗闇ではない。サイタマという存在が、全てを照らしてくれる。ここなら溺れて死んでも本望だ。全て、体の全部がドロドロになるまで、溶けて無くなるまで、溺れていたいと思った。

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