ハチミツはおいしい。 とろとろ、と金色の液体。魅力的な味。そのまま舐めても、パンケーキにたあっぷりとかけて食べても美味しい。まさに無敵。 彼にそう教えれば、きらきらとハチミツのように目を輝かせて「はちみつ買ってくる!」と走り出し、どこかへ行ってしまった。まぁ、きっと近くにあるスーパーなんだろうけど。 くすり、と微笑んで彼の帰りを待っていれば、およそ五分後スーパーのレジ袋をがさがさ持ちつつ彼が帰ってきた。 「はちみつ買ってきた!」 少し息を荒くしつつにこにこ、と嬉しそうに微笑んで袋から大きな瓶をとりだし、俺にみせた彼は、とても化け物と思えぬ顔をしていた。 突然だが、俺は人間が好きだ。小さい子供が一番好きだ。丁度、目の前にいる化け物な平和島静雄のような、小学校三年生が食べごろだと俺は思う。この子は化け物だが、小さい化け物だって美味しく食べれるのが俺、折原臨也。なぁんて 嗚呼、このハチミツシズちゃんにぶっかけて舐めたいなぁ甘いんだろうなぁハチミツより甘かったら俺吃驚だけどありえそうだなぁ…食べちゃいたいくらい可愛い 「いざや?」 は、と我にかえれば心配そうに俺を見ているシズちゃんの姿。嗚呼、もう、可愛すぎるだろう。 理性が持ちそうにないけど、必死に食べるのを我慢して微笑んで見せれば、シズちゃんもぱああ、と太陽のように笑顔になる。 「ねぇ、シズちゃん」 「なんだ?」 「俺が好き?」 「う、うん…好き…」 もじもじしつつ言うシズちゃんは兵器だ 「じゃあさ、俺と良いことしない?」 「いいこと?」 こてん、と首を傾げるシズちゃんも兵器だ 「うん。どお?」 「するー!」 「そう。じゃあ、そのハチミツを持って俺ん家に行こうか」 「うんっ!」 シズちゃん、シズちゃん。初めてだから痛いと思うし、小学校三年生だからきっとトラウマになっちゃうだろうけど、とてもとても良いことだから楽しみにしててね。 ………シズちゃんのハチミツ漬け、いけるかも…。 |