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「全員がザンザスの部屋だとして、ベッドはどうすんだぁ?3つもは流石に入いらねぇだろ」

ベッドの前で仁王立ちのスクアーロが、腕を組んで溜め息を吐いた。


「1つでいいだろ」
「キングサイズだし、3人くらい大丈夫だ」


ソファに寝そべる勢いで姿勢を崩したザンザスと、早くも酒瓶を手にしたコルニオーラがスクアーロを見た。



「ダメだぁ!!…だから、コルニオーラは女性で」


「コイツは俺だ」
「気にしねぇよ?」


「だったら俺は自分の部屋に…」




「ダメだ。命令」


ザンザスがスクアーロの提案を遮る。


「…ズルくねぇ?」


「ほら、俺もそう言ってんだ。観念しろよ?」


そう言ってにっこりと笑うコルニオーラがとても美しいだなんて思ってしまい、スクアーロは何も言えなかった。





我の強いザンザス(とコルニオーラ)に何を言っても無駄だと諦めつつ早速二人が散らかした酒瓶やらつまみを片す。2人だと流石にペースが早く、せっかくの高い酒がただのミネラルウォーターのように消えていく。
できれば自分も酔い溺れてこの出来事を夢にしてしまいたい。


無言で飲み続ける2人のボスの少し重たい空気の中でコンコン、と軽いノックの音がした。


「失礼しま〜……やだっ!もう飲んでるの?!」


ルッスーリアが何やら大きな箱をいくつか抱えて入ってきた。

「どうしたぁ?…つーか何だそれ」


「んふっ!むさ苦しいヴァリアー城にせっかくこんな美しいスィニョリーナがいるんだから着飾らない手はないでしょ?」



確かにコルニオーラは美しいが、中身はザンザスだ。恐れ多くてそんなこと思いつくルッスーリアは勇気があるというか命知らずというか。


「瞳の色に合わせて深紅のドレスとか?どうよ、コレ!!質の良いシルクでしょ??しっとり艶やかでボスにぴったりよっ」

「…あぁ、悪くねぇ」



コルニオーラがそう言うと、スクアーロとザンザスが驚いたような反応をした。


(ん??ザンザス…?)






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