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「で?今度は何だって?」


薄く華奢なティーカップから煌びやかな装飾のスプーンを引き揚げながらルッスーリアがそう聞いた。


「だっ…だからよぉ〜…その、…痛くてっ…逃げ出しちまったって。」


「ナニが。」


「だからっ、ザンザスの…アレが…っ」


真っ赤になりながら絞り出したような声でスクアーロが呟いた。膝の上に握り揃えた拳まで真っ赤に染まっている。


「…ふぅ。ばっかね〜アンタ。なんで逃げんのよ?そんくらい我慢なさいよ。一刺しプスリっとやっちゃえば痛いのなんて一瞬でしょ」


「おまっ…下品だなぁ!!」




カチャリとカップを皿に置いてルッスーリアはため息をついた。


「もっと痛い思いなんて他にもあるでしょ?それは良くてなんでこれは駄目なのよ?」


「んなもん、痛みの種類が違げえだろ?!そんなとこ怪我したことも他人に触られたこともねーんだよっっ」


バンっとテーブルを叩いて身を乗り出したスクアーロのツンツンと跳ねた短い後ろ毛が揺れた。


「はいはい。てゆーかさぁ?ボスの男心を何だと思ってんのよ?そう何度も逃げられたら傷付くわよっ」



「オマエに男心がわかんのかぁ?」


ポカーンと大人しくなったスクアーロはそのまま元の椅子に腰を下ろした。


「んまっ失礼ね!オカマ心は両属性よっ」


「なんだそれ…」


「兎に角、謝って……いや、そうよ!謝るよりも良い方法があるわ」


「う゛ぉ?」


「スクちゃんからお誘いすんのよ!」


ルッスの右手の小指がピピーンと立ち上がった。


「なにをだぁ?」


「んもぅっ、鈍い子っ!セックス…つまりエッチのお誘いよぉん!」





「はぁっ!?無理無理無理っ!俺からとか…」


スクアーロが真っ赤になった顔をブンブンと左右に振り乱す。

「だめよっ。普通に謝ってもボスの傷付いた男心は簡単には癒えないわっ。ここはスクちゃんから求めて仲直りするしかないわっ」



「………………ほんとに……?」



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