うさみみ


私は刀鍛冶をしている祖父の孫にあたる
私には可愛い妹と両親と祖父が居る
それと、何年か前から一緒に住み始めた鬼塚鉄謙と言う私と同い年の男性   




『ただーいま』

「あ!葉那さ、お帰り 見ちくり!この彫刻刀美和さに作ったんよ」





ほらほらと彼が作ったと言う彫刻刀は結構出来が良い
ちなみに美和と言うのは私の妹






『うん、良いと思うわ そこら辺の物より出来が良いもの、きっと美和も喜んで使ってくれるわよ』

「っ!!そうかな!そうだと俺すっごく嬉しいさー!」







本当に嬉しそうに笑う彼は見ていてすごく楽しい
表情がころころ変わるし私を凄く信頼してくれている(らしい)
と言うか鉄謙の頭にうさみみ付いてる‥
あ、何時も巻いてる頭のタオルに付けてあるのね
なんだか凄く可愛いんだけど、これは鉄謙態となのかしら






『ねぇ鉄謙?頭のうさみみって一体なんなの?』

「エッ!?な、なんさうさみみって!うわっ!何か付いとる!!」






気 が 付 い て 無 か っ た !!
まさかの素だった!
でも可愛いわ鉄謙!誰だか知らないけど付けた人に賞賛と感謝状を送りたいくらい






「うう‥この前もこれ付けちょってタロさに教えてもらったさ、葉那さに見られたし本当に不幸しょっちょるのかも」





ずううんと暗くなる鉄謙を尻目に見る
私は善いと思うのだけれど
だって凄く可愛いんだもん、私なら何度でも鉄謙に付けてあげたいくらい






『私は善いと思うわ、だって凄く似合ってるもの 可愛い鉄謙、私は好きよ』

「可愛いなんか言われても嬉しく無いさ!葉那さには格好良いって思われたいんさよ」





鉄謙を格好良いかぁ、あまり思ったこと無いわね
そういえば、でも鍛冶してるときの鉄謙は格好良いわよね
それに気が付いていない鉄謙は格好良いというかやっぱり可愛らしいわ

そんなことを首を捻りながら考えているといつの間にか鉄謙が私の目の前に顔を置いていて、しかもその顔が真剣だったから思わずどくりと脈が速くなった





『て、鉄謙‥?』

「‥俺だって男さ、好きな子には格好良いって思われたいと思うのは普通の事さ」

『っ!や、え‥うあ‥』






可愛いとか言うな

( っ、いま、かっこいー‥ )

( ほ、ほんに!?やった! )

( わたしも、鉄謙すき )

( っ〜!!可愛い! )

( ぎゃあ! )