東国から来た新しいフェアリーテイルの仲間は長い黒髪で何かふわふわしてるやつだった 大人しくて一歩引いた場所から俺らと一緒にいて、謙虚ですげェ礼儀正しい楝 一回、何でそんな性格なんだって聞いたことがある
そしたらあいつは
『東国の特徴なんです』
そう言って花がふわりと咲いたみたいに笑うもんだから柄にもなく顔が熱くなるのが感じた それに変わった服を着てた どうやら「着物」っつーもんみたいで、紐‥帯と言うらしいもので腰あたりをキツく縛ってある これも東国の特徴なんだそうだ
なんて、ここ数週間ほどの楝との会話を思い出してると街周3周走り終えた楝がヘロヘロになりながら戻ってきた
『はっ‥、っ‥!はぁっ‥!!た、ただいまっ、もど‥げほっ り、ました!』
「おー、何か辛そうだけど大丈夫か?」
ちょっと心配になって訪ねてみれば肩で息をして汗で髪を張り付けながらふにゃりと笑って大丈夫ですと言われた いや、大丈夫そうに見えねえ
「当たり前でしょ、アンタの運動量とこの子の運動量を一緒にしないでちょうだいな」
「‥そうか!!」
「馬鹿なの!?アンタ馬鹿なのぉ!?」
おお‥この猫はツッコミ属性だな ルーシィみてェ
『師匠っ、師匠は凄く強いって聞きました!』
「おー!俺はいつかラクサスとエルザに勝つのを目標にしてっからな!」
『私は師匠を目標にしますね!師匠みたいに強くなりたいなぁ‥』
ぽつりと呟いた楝の言葉にどくりと心臓が熱くなって思わず心臓をぎゅうと握った 俺を見て猫があらあらぁ?とにやにやしながらこっちを見てきた
「なっ‥なんだよ!」
「いいえ、別にぃ?」
俺の周りをふよふよ漂いながら言ってる猫を気恥ずかしげに手で払うと笑ったまま言ってたからむすっとほっぺたを膨らませてしまった子供っぽい自分に若干苦笑してしまった ‥なんだこれ、俺こんなんだったっけ
『‥師匠?どうしたんですか』
「え!?あ、え!?な、なんだ!?」
『いえ‥ぼーっとしておられたので、回復魔法かけましょうか?』
「いい!!俺はへーきだ!」
‥何だこの気持ち!
(‥恋ね)
(コイ?魚のことか?)
(あい!魚は美味しいよ!)
(だまらっしゃい)
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