親切なおじさんに道を聞いたり、優しそうな、いや実際優しかったのだけれど おばさんにご飯をご馳走になったり、私は相棒の猫さくらと一緒にフィオーレにやって来た 



妖精の尻尾か書かれている看板、大きなギルド、それに外でも聞こえるがやがやとした楽しそうな声



『楽しそうなギルドですね、さくら』

「そうねぇ、私と同じ猫ちゃん居るのかしら」





ふふ、と煙管をふかしながら翼でふわふわと飛ぶさくらに「きっと居るよ」と返してドアを開けた




開けた途端に直ぐ右の壁にどがん!と派手な音を立てて半裸の男の人が倒れていた




『ひいっ、み、見ました!?さくら、外国って刺激的なんですねぇ』

「いや楝それはちょっと違うわよぉ?」




半裸の男の人は此方に気付かれたのかじろりと‥いや今目が合いましたよね合っちゃいましたよねどどどどうしよういきなり難癖付けられちゃったら私泣きますよひあああ!!近付いてきた!


心の中で葛藤しながらさくらをぎゅうと抱き涙ながらに話し掛けることにしました




『なっ、なん‥なにか、用‥ですか、おにーさん‥』

「そっちこそ、このギルドに何か用かい、おじょーさん」



‥どうやらこの人は善い人らしい
私に調子を合わせてがしがしと頭を撫でて笑いかけてくれる
ほうと息を吐き出して深呼吸したところでお兄さんに聞いてみることにした




「あの‥ここのギルドに入りたいんです、どうしたらいいですか?」



お兄さんはぽかんと間が有ったものの直ぐに笑顔になってばんばんと背中を叩き「ギルドにか、そっかそっか」と言って女の人の所まで案内してくれた
あの、背中いた‥痛い




「あらグレイどうしたの?」


「ああ実はなミラちゃん、こいつ ギルドに入りたいんだと」


成る程このお兄さんはグレイさんと言うらしい
そしてこのカウンターに居る綺麗なお姉さんはミラさん
グレイさんにぽんと背中を押されよたつきながら前に出る




ここのギルド楽しいですね


(あら!そう言って貰えると嬉しいわ?)

(お姉さんもお兄さんも綺麗で格好いい人ばっか)

( ‥ )

(あらグレイときめいてる!)

(は!?違ェよミラちゃん!)









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