『そう言えばルーシィさんってどんな魔法を使われるんですか?』

「私は星霊魔法よ!」




星霊魔法‥確か教わった気がする‥
鍵で星霊を召還する魔法でしたっけ
さくらがそれを聞いてそう言えばと呟く




「楝、一回見せて貰ったわね、ここにくる前に」

『あっ、そうでしたね』




何だか一回凄く綺麗な星霊さんを見たことが有る気がする
でも戦闘には向かないんだと笑いながら言ってた
あの人は凄く良い人だったなぁ‥
お握りくれたし‥
そんな事をのんびり考えながら手の中にあるグレイさんがまたまた奢ってくれたジュースを飲みながら座っているといきなりルーシィさんの星霊ホルダーが輝いて1人のスーツを着たオレンジの髪をした男の方が現れた
‥この人も星霊さんなのでしょうか‥


「ロキ!?なんでいきなり‥」

「いやあ、どうも可愛い女の子の気配がしてね」

「久し振りだなー!」

「あい!相変わらず猫の進化した姿なんだね!」

『‥っ』


ロキさんと呼ばれる方は皆さんの言葉を軽く受け流しながら私に目線を送る
ちょっとまだ知らない人に慣れていなくて咄嗟に近くに居た師匠の背中に隠れさせてもらった
頭に疑問符を浮かべながら私を見ていた師匠だったけどそう言えば人見知りだったなと笑って頭を撫でてくれた


「楝!この人はちょっと問題があるけど基本的には良い人だから」

「あはは、失礼だなぁルーシィってば こんにちは楝ちゃん、僕はルーシィの星霊のロキって言うんだ?よければ仲良くしてくれるかな?」



ふるふると震えている私の頭を優しく撫でてくれるロキさん‥
ふおおお‥まさかお兄さん第二号!!!
この安心感はすごい‥



『‥‥、』

「‥おい楝固まってんぞ!?」

「ロキがホストみたいな格好で出てくるから!!」

「えっ!?」

『あ、ちがっ‥グレイさんもですけど‥ロキさん、お兄さんみたいだなって‥』



なんだか本人に言うのは恥ずかしくて着物の袖をぎゅっと握りながら控え目に言ってみた
そしたらロキさんはぶるぶる震えながら顔を真っ赤にして可愛い可愛いなど叫びながら抱きついてきた

んん‥あったかい‥
星霊さんでもやっぱり生きてるんだ‥
あったかいな‥
ぎゅっと背中に腕を回して抱きつけばロキさんはなぜか私を抱っこしてくれた




『っ!?え‥あの‥?』

「じゃあ僕らはこれから愛を語りに行ってくるから」

「させるか!!」


ロキさんの言葉に敏感に反応して師匠がロキさんに飛び蹴りを‥えっ‥飛び蹴り‥?
しかも何とも言えない素晴らしい身体能力で飛び蹴りをし離れる最中になぜか私を姫抱きなさった
なぜだ‥何だか私はフェアリーテイルに来てから甘やかされてばかり‥
なんだか悪い気がしてならない
もっともっと強くならなくちゃ



「可愛い顔が台無しだよ?」


ちょっと塞ぎ込んでいたのにロキさんが師匠の腕の中の私の眉間をちょんと指で軽く押して、しかもすてきなウィンク付きで言ってくれた
師匠もなぜか私の顔をぐっとのぞき込んで‥やだ何か照れちゃう‥



「お前は笑ってる方が可愛いぜ!」


なんて特上の笑顔で言われるもんだから私の思考は停止状態
顔が火傷したんじゃないかってくらい真っ赤に染めあがってしまって恥ずかしさから気絶してしまった
後のことはよく覚えて居ないけれどさくらが家まで運んでくれたらしい
ごめんねさくら




‥俺なんかしたか?


( ‥ナツには適わないな )

( えっちょ‥何で気絶してんだ!? )

( ナツってばやるぅ )






← / →