妖精の尻尾 | ナノ

 Did he buy a lot?






人間界には余り来慣れて無いせいかディーナはだるんとしながらたくさん買ったショッピング袋を持ってよたよたと危なっかしくそこら辺を歩いていた
いや、僕だって持つよ?とか言ったんだよ?
でもほら変な所で頑固と言うか何というか‥いやまぁそこが可愛いんだけどね










「ねぇ、やっぱり僕も持つってば」

『いいえ、これ私の物なんですから、自分で持てます‥!!』











頑なに拒否をする彼女に苦笑をこぼしながら、なんとか星霊界のディーナの家に着くことが出来た
どうぞ上がってと言われたから家に入れてもらった
ディーナの家は広場から少し離れた所で、物静かで僕は結構好き











『見て、ロキ 私あなたとお揃いな物が欲しくてね ほらストラップと言う物を買ってみたんです』

「‥いいの?」

『ええ、最近あなたにはお世話になりっぱなしでしたから』











どこか恥ずかしそうに笑う彼女がとても愛おしく感じて、ああ好きだなぁって実感した
カレンが死んで、女の子と一緒に居ることで寂しさとか罪悪感とかを埋めようとしたけど、今思えばディーナに会えなくて凄く寂しかった
ディーナも寂しいって、少しは思っててくれたのかな










『私またあなたに会えて良かった、何も言わずにぼろぼろで帰ってくるあなたを見るのも辛かったけど、あなたが居なくなった時は本当に辛かった、ああ‥居なくなってしまったのねって』










昔の事を思い出しながらぽつりと話す彼女はどこか恥ずかしそうで、それでも慈愛に満ちた笑みで僕のことを見てくれた







帰って来てくれて有り難う



( ‥こちらこそ、有り難う )

( いいえ、居てくれるだけで結構です )

( ‥ただいま )

( お帰りなさい、ロキ )







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