スノウ

雪の粒子は光を散乱させるため、白く見えます。

粉塵や黄砂を取り込んで、黒や黄色がかって見える事もあります。

そのような不純物がない場合、強いて色があるとしたら青く見えます。

水や氷は通常無色透明と言って差し支えないのですが、実は僅かに青いんです。これは水のヒドロキシル基(-OH)による赤外吸収が強いため、2倍音や3倍音に対応する可視光の赤色領域でも吸収が起きる結果、青い光が残るというものです。


なので、HTMLカラーの『snow』という色がごくごく淡い赤みのある白(#fffafa)と定義されているのが私には腑に落ちません。他に適当な色名がなくて苦肉の策だったのですかね。

私なら『sakura』と名付けたいです。『cherry blossom(桜の花という意味の英語)』だと『赤黒いアメリカンチェリーの実がなる前の花』の色を指す気がして瞬時にイメージできないので、敢えて日本語ローマ字表記の『sakura』で。ソメイヨシノの花びらの色と定義したいです。

お花見では桜の木全体を見るので、色の濃い雄しべやガクと花びらの色が混ざります。しかも背景の青空との対比効果も手伝い、実際より色付いたピンク色と記憶しがちです。

落ちてる花びらを観察したら、思っているより白いはずですよ。


画像:伝染病様 Winter&Xmas 19

さて、ここで問題です。

雪がとけたら何になる?

答えは大きく分けて二つあります。一方はすぐ見つかると思いますが、他方は見当がつきますか?

「雪がとけたら…春になる。」

と答える人は文系脳らしいです。

そんな人いるの!?融雪剤で溶かしたって冬は終わらないじゃん!って思っていたのに、夫は迷わず「春!」と即答しました。身近な所で簡単に文系脳が見つかりました。

私は「水。その他に答えがあるなら、微量ではあるけど、雪の核を構成していた微粒子。そして落下時および落下後に付着した物質、いわゆる不純物。」と答えました。はい、バリバリの理系脳です。

文章から筆者の考えを読み取るという国語の問題が嫌いでした。筆者の考えではなく、出題者の狙いを読み取る問題ですよね。日本語社会で必要不可欠な空気読みスキルを計る為の問題だと思う事にしていました。


このコラムを書いていて、無性に読み返したくなった小説があります。

“国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。”

川端康成「雪国」の冒頭部分より


豊かな色彩描写に感動した記憶があります。『雪が溶けると春になる』の意識で読むとまた違った世界が広がる気がします。

2015.12.30
snowの配色例



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