第三話




結局その日の5時限目は違う場所でサボった。
まぁ自他ともに認めるサボり魔だから別に良いが。
そして、放課後は帰りながらいつも通り沙奈と他愛のない話をしていた。

「あ、そういえばさ、今日の5時限目どこでサボったの?また、屋上の廊下??」

苦笑いしながら沙奈が聞いてきた。
「そう!それがさ、聞いてよ!!!!?!」

ずっと誰かに話したいと思っていたので、沙奈に今日の出来事を一通り話す。
あたしは高杉君の株が下がることを期待して話したんだけど…

「キャアアアアアアっ!!!いーなー!!高杉君と話せたんでしょ?!!!羨ましいわぁ…」
「え、ちょ待てい!!そこは「高杉君…そんな変態だったんだ…キモーイ…」でしょう!?!」
「いやいやいやいや!このギャップが良いじゃん?!?!ギャップ萌えってやつだよっ!!!!」

まさか株が上がってしまうとは思ってもなかったっす。

「萌えないっ萌えない!!だから、あたしは他の転入生に期待するっ!!」
「あー坂田君とか…??」

沙奈の声が少し低くなった気がした。

「そうっ!!超イケメンなはずっ…」
「でも、あたし聞いちゃったんだよね……坂田君は…目が死んでるって」
「…な、な、何だってえええ?!??!」

ついつい頭を抱えてしゃがみこんでしまう。

【なんで、良い転入生が来ないんだ…】
あーもう涙目になってきちゃったよー…

「だから!高杉君は最高ってこ「納得できません。」…。」
「もう、そんなんだから、夏希は恋出来ないんだよ…全く…」

【あ、これ完璧呆れられてる??でもさ、しょうがなくね??ってこれ誰に話してんだ?】
そんなことを考えてたら沙奈との分かれ道になった。

「んじゃあまた明日ね!あ、寝坊しないようにね?!」
「保障は出来ないけど、頑張るぜっ!(笑)んじゃ!!」

家に着いてからは最低限の事だけやった後は、疲れていたからかすぐに寝てしまっていた。


「…ん〜っ!よく寝たよく寝たぁ!!今日はなんか目覚めが良…」

視界の端に時計が見えた。
|11:50|

「…またかぁあああああっ!!!!!」

もう遅刻の回数は数えられないほどしているが、やはり慣れることは出来ない。

「あああああぁっ!!制服制服っ!!」
女とは思えない速さで制服に着替え、鏡でチェックもせずに学校へ向かった。


ガラッ
「すみまっせっーん!!寝坊しましたああぁ!!ってうぉぁっ!??!」

目の前を何かが通った。
チョークを投げられたらしい。

「天和っ!!!!また遅刻かぁ!?!」
【ゲ…後藤かよぉぉぉっ…運わるっ…】

後藤は学校で一番怖いと有名な教師である。

【こ、これは…サボるしかないよな…】
「…あ、あぁ…おなか痛くなってきたなぁ…ほ、保健室行ってきますっ!!」
「天和っ!!サボりだろお前ぇぇぇっ!!成績どうなるか分かってんだろうなあああ!!!」

あーあーあー聞こえない聞こえない…
そう自分に言い聞かせて保健室に向かった。

【教師いたらめんどいことになるよなぁ…】
そう思いながらソーッとドアを開けると中には誰もいなかった。

「よっしゃっ!」
一人でガッツポーズをしたものの、何をしよう。さすがに今は寝れなさそうだし…
そんなことを考えていると、4時限目終了のチャイムが鳴った。

「おぉっ!!昼だああっ!!!!!!」

条件反射のようにダッシュで購買に向かった。
【あれ、なんかあたし走ってばっかじゃね??】

購買に行く途中に沙奈と会ったのでいつも通り2人で昼食をとる。

「今日も食べるねぇ…」
「え?普通でしょうが!!」

カレーを口に頬張りながらパンを2つ詰め込んだ。

「いやいや!普通じゃないからね?!?!ナレーションの表現からしてもうおかしくなってるから!!」
「ま、気にスンナっ☆」
「気にするわあっ!!」

そんなことを話していると左から声がかかった。
「隣いいか??」
「どーぞー…ってあ…死んだ魚の目…」
「ええええっ?!?!?初対面の人にそんなこと言われると、さすがの銀ちゃんでも泣いちゃうわー…」

銀ちゃん…あ、もしかして
「「坂田銀時君??!!」」

「あーそうそう!何??俺そんな人気者なの??」
「おめぇが人気な訳ねぇだろ」
「土方さん羨ましいんですかィ??」
「ちげぇよ!!!」
「ツンデレはモテないぞぉ??」
「うるせぇぇっ!!」

勝手に話が進んでいく。
この人たちほっておいたら絶対止まんないタイプだ。
「あのぉ…」

声をかけても向こうは向こうで騒いでる。
私の中で何かが切れた。

「しゃ、シャラップ!!!そっちから話しかけたのに騒ぐなっ!!!!」
「あ、すまねぇ」

え、この人謝ってるけど絶対怒ってるよね??瞳孔全開なんだけど(汗)
「て、てか、なんでこの席来たんですか?まだ色んな席空いてんのに…」

ねぇ??と沙奈と目を合わせる。

「高杉からあんたが面白いって聞いたからでさァ」
…え?

「高杉…ってあの変態の?」
「…ククッ…変態ってのは俺のことかァ?」

後方から声が聞こえてグルっと後ろを向いたら高杉君がいた。

「うぉっ??!!」

ホントこの人は神出鬼没だ…

「んで、この人達は…??」
「こいつらは俺と同じときに転入した奴ら。」

「あーそういえば、自己紹介してねぇな!俺は坂田銀時。銀時とか銀さんでいーから」
天パで銀髪の死んだ目の人が言った。

「俺は沖田総悟でさァ。総悟で良いですぜィ。んでこいつはマヨ方でさァ」
なんか、面白い喋り方の人。それで、マヨ方って言われた人は、

「違ぇっ!!!!!!!!…あー俺は土方十四朗だ。呼び方は何でもいい。」
絶対ツッコミだと思います。そして、こんな個性的なメンバーだから大変だろうなと思いました。あれ?作文?

「まぁ、とにかく仲良くしてくれや」
銀時に言われたけど、私にはこれから大変になる…と嫌な予感しかしなかった。

*****

昼になったから購買に向かうと銀時達が名前と話している。

夏希が銀時達の対応に戸惑っているみたいだった。
見てても面白れェが少し近づいて話しかけると、いちいちでかいリアクションをする。
それから夏希達と銀時達と昼食を食べた。

夏希達が教室に戻った後銀時が話しかけてきた。

「なー高杉、夏希ってお前が面白いなんて言うからどんな子かと思ったけど、結構普通じゃね?」
「あ、それ分かりまさァ。顔も普通でしたねィ。」
「おい、それ失礼だろ」
「あ、土方さん夏希に惚れちましたかィ?」
「ちげぇ!!」

…銀時達がこんなリアクションで少し意外だった。
俺から見たらかなり面白れェやつだから。

「高杉もしかして、夏希のこと気に入ってんじゃねぇの?」
「あ゙?」
「だから、面白いとかじゃなくて惚れてんじゃねェの?」

どんな意味か分からずに聞き返したが、聞いて損した。
「あんな色気のないやつ好きになるわけねェだろ」
「ふーん…」

銀時が意味ありげな目で俺を見ながら口元を緩めた。




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