2015.クリスマス

*ナイスとプレゼント
「……メリークリスマス」
「……わたしナイスからプレゼントもらえるなんて考えてなかった」
「いいから! 早く開けろっての!」
「はいはい。…………あ、イヤホン。これナイスのヘッドホンと同じ色だね」
「たまたま見かけただけだし」
「前にわたしがイヤホン欲しいって言ってたの覚えてたの?」
「なまえがいらねーってんなら別にいいけど」
「ううん、嬉しい。大切に使うね」

*ムラサキとツリー
「しまった。一番上の星が届かない」
「ツリーのほうは終わりそう、じゃないな」
「あ、ムラサキ。ちょうどいいとこに。これやって」
「届かないのか?」
「ちがうよ。ツリーが大きいんだよ」
「そういうことにしとくか」
「ツリーが大きいんだってば。一番おいしいとこあげたんだから感謝してよね」
「わかったわかった。……よし、どうだ」
「完璧! さすがわたし」
「なまえは下の飾りつけしかしてないだろ。まだ他にもやることは残ってるぞ、逃げようとするな」

*アートとケーキ
「フルーツタルトにガトーショコラ、ブッシュドノエルもよいけれどわたしはやっぱりモンブラン!」
「なまえ?」
「冗談です」
「モンブランは秋じゃないと。ここは王道としてショートケーキだろう?」
「あっ、そういう感じ」
「でもホワイトチョコレートタルトなんてものもあるんだね、ロールケーキもなかなか」
「アート」
「ザッハトルテかミルクレープか……」
「もうショートケーキにしようよ」

*レシオとサンタ
「サンタさんはどうして一定の年齢を越すと来なくなるんだろう」
「サンタだって忙しいに決まってるだろ。毎年どれだけの子どもが生まれていると思っているんだ」
「新しい子どもたちのために古い大人は犠牲になるのか」
「引っかかる言い方をするな。それに良い子の枠に入らないといけないんだぞ」
「わたしめっちゃ良い子じゃない? ……なにその目は。ところでレシオはサンタさんになにを頼んでいたの?」
「バースデイの病気を治せるように医学書を」
「こ、子どもらしくねぇ……」

*バースデイとイルミネーション
「さすが横浜。夜景がきれいだね」
「いや俺ちゃんのほうがすごいから」
「なに張り合ってんの」
「俺だったらツリーだけじゃなくって空までピカピカにできるし」
「なんの対抗意識燃やしてんの。あ、点灯式やるみたいだね」
「はいはーい! 俺! やりまーす!」
「ちょっ! バースデイ!?」
「ほれなまえちゃんも」
「なんでわたしも?」
「これカップル限定だからな!」
「急に散歩行こうとかいうから何かと思ったけどこれが目的だったのか!」

*モラルとポインセチア
「こんばんは、なまえさん」
「モラルさん。どうしたんですか」
「今日はクリスマスでしょう? ですからあなたにプレゼントです」
「わ。これポインセチアでしたっけ」
「えぇ、よくご存知で」
「でも白いですね。ふつうは赤ですよね」
「白いポインセチアの花言葉はあなたの祝福を祈る、です。どうかなまえさんに幸あらんことを」

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