今日もいつもと変わらない1日が
始まると思っていました。
僕は、いつもと変わらずに
このキセキ学園に登校してました。
本を読み、前に出来ている人混みの中を
影の薄さを利用して教室に向かう。
こういう時や人に気づかれたくない時とかは
ミスディレクションは便利です。
でも、こうも綺麗に人に気づかれないのは
やっぱり悲しくもあります。
"僕がいなくなっても
気づいてくれる人はいるのだろうか"
最近そんなことをばかりが頭にうかび
彼らを心配させてしまっています。
だから、なるべく考えないようにしているのですが
独りになってしまうと思ってしまう。
やっぱり、独りは怖いです。
そんなことを思いながら
下駄箱のとこまでついてしまったので
靴を脱ぎ、上履きに履き替えようとしてた時でした。
「あ、あの!!」
誰かが呼び声をかけたようですが、
僕ではなさそうなのでそのまま上履きを出していました。
そしたら急に肩に違和感が
「あの!
これ落としましたよ!」
いきなりのことだったので、
僕は肩を揺らし固まっていましたが
<手を置かれて話されている>
つまり、僕に話しかけている。
「!?…ありがとうごさいます。」
振り返り声の人を見てお礼を言いました。
どこかで、落としてしまったのか
僕のハンカチが
その声の人をじーっと見て
ボサボサの髪で前髪が長く
眼鏡をかけており
外見は、よくアニメでいう
"いじめられっ子"という印象を受けました。
影が薄い僕に気づいた?
まぐれなのでは?
人に気づかれないのが僕
「…。あなたは、僕が見えるのですか?」
不思議に思い聞いてみました。
彼は、首をかかげて
「う、うん。見えるよ?
とっても綺麗だから。」
何故でしょう…。
頭がボーッとします。
凄く胸がドキドキします。
こんなのはじめてです。
"僕に気づいてくれました。
そして、とても綺麗と…。"
彼がなにかを言って走っていってしまいました。
そんな彼の後ろ姿を僕は、見えなくなるまで
その場から動けませんでした。
そして、
もっと彼に"僕"を知ってもらいたいと思いました。