時軸：未来
設定：ランチタイム

---

「ねえ、朝倉」

「なに、美姫」

「あんた、太った？」

「ぐっ…げほっ……しょ、食事中の人間に…な、なんてことを」

「あー」

「ら、乱菊？そこで納得の声っておかしくありませんか？」

「血色が良くなったよね」

「桃さんまで！人を病児か何かみたいに！」

「最近よく食うわよね。日番谷隊長と結婚したあたりから？」

「………」

「うんうん」

「何よ。しあわせ太り？やーね！当てつけ？」

「違いますよ。しあわせですけど」

「春樹ちゃんって時々むかつくよね！」

「桃、荒んでる。好きな人つくんなさい」

「作るって何？ねえ、美姫ちゃん、美姫ちゃんは何処で杏くんを作ったの？それってうちにあるオーブンでも作れる？小麦粉とかお砂糖が有れば作れる？」

「恐いよ、桃！瞳孔開いてる！」

「あー、うん。まぁ、雛森は置いといてと。で？何で最近お弁当が重箱だったりするのよ？」

「…策士、なんですよ。日番谷隊長は」

「？」

「私がよくご飯食べたりするの忘れて貧血でふらふらするのに見かねたあの人が行動に出たんです」

「あぁ。あんたが悪い話ね」

「うるさい美姫。……冬獅郎さん…料理を、始めたんです…」

「やだ。なんか寒気がするわね。これ、恐い話？あたし、あんまり得意じゃないのよ。ねーねーそれより猥談しない？」

「松本さん、うるさい」

「あのひと、すごい料理がうまいんですよ！知っていました！？」

「知らないわよ、人の旦那の特技なんか」

「あんたの旦那の特技はサドだっけ？」

「Ｓは特技じゃない！愛よ！」

「あんたの惚気は重いからいらない」

「もう餌付けされてる気分ですよ。多分豚のようになったら食う気です。でなきゃ、あんな本気の料理…作れませんよ！！」

「戦慄してるとこ悪いけど、なんなの、それ。自慢？」

「あ。猥談の気配？」

「結局のろけ？」

「も、もも、落ち着いて！」

「雛森はどうなのよ。彼氏は？」

「男なんかうんざりです」

「男じゃなきゃいいの？」

「女の子、好きですよ」

「え？本気？」

「はい」

「！！！」

「あ、美姫。卵焼きちょうだい」

「えー。からあげくれたらいいよ」

「えぇぇえええ！なんで？なんであたしばっかり驚いてるの？ねぇ！春樹？？小場沢！？」

「私知ってたし」

「そう言うひと、見るの初めてじゃありませんし」

「えー。なにこの疎外感。あたしがウブみたいじゃない。春樹め。こんな顔して玄人か。あーあー」

「乱菊さん、落ち着いてください。一人なんかじゃないですよ。わたしがいるじゃないですか」

「雛森…あたし、あんたになら抱かれてもいい」

「わたしも乱菊さんすきですよ」

「あーもー付き合っちゃいなよ。唐揚げおいしいし」

「私も良いと思いますよ。隊長、甘い卵焼き作ってくれないかなぁ」

「えー？付き合っちゃう？」


「ちょっと待ったあぁあぁぁぁ！！」


「あ、檜佐木先輩」

「俺のが、乱菊さんのことを好きですよ！！」

「乱菊…これ、召喚するのやめてくださいよ」

「えーあたしの所為？」

「て言うか女子の話、盗み聞きするなんて最低じゃない？」

「本当に嫌ですよね、ストーカーって」

「え？先輩、ストーカーなんですか？」

「女子怖い」

「大体、せこいんですよ。碌な告白もしないでノリばっかりで。こんなのじゃ男として頼りたいと思えませんよね」

「春樹ちゃん、俺、泣いていい？」

「泣くな」

「まぁでも尤もだ！俺は追いかけるばかりで何かを見失っていた！」

「追いかけるって。この人本物じゃないの」

「乱菊さん！」

「何」

「俺、ずっと前から乱菊さんのことを本気で…！」

「あ、ごめん。私いま九番隊の春日と付き合ってるから」

「え？松本さん春日と付き合ってんの？」

「あーあのこかわいいよね。きれいな顔しているし」

「この前話したけどすごくいい子でしたよ」

「春樹」

「なんですか、修兵さん」

「知ってた？」

「そりゃ知っていますよ。しょっちゅうのろけを聞かされていますから」

「うっ」


「泣いて走り去るって。女か」

「乱菊さん、先輩のこといじめるの好きですよね」

「うん」

「あ、もうお昼終わる！」

「え？早くない？」

「しゃべりすぎなんですよね、私たち！」

「あれ。日番谷くんがすごい目でこっち見てる」

「あー！隊長、もしかして聞いてましたぁ？だめですよぉ！女の子の話を盗み聞きするなんて！」

「…聞かれたくないなら執務室でやるな」

「でも、日番谷くんに聞かれたって痛くもかゆくもないよね」

「確かに！」

「わかるわかる」


「頼むから、他でやってくれ…！」




女の子！


(なかよしにつき触るな危険)20081224