Commemoration | ナノ


君の誘惑に踊る僕(アルレイ)







本当はこんな予定など、まったくなかったのだが。




レイアが期間限定で、ドロッセルの屋敷へ手伝いに出かけたらしい。

いつも手伝いをしてくれる、お手伝いの人が体調を崩して、しばらく復帰できないということをエリーゼから聞いたレイアが、自ら名乗り出て、手伝いへと出かけていった。


「レイアさん、ありがとう。お店の方も大変でしょうに、手伝いに来てくれて……」

「ううん、全然、気にしないで!逆に手伝いに行ってこいって、放り出されたぐらいだし」



カラハ・シャールの領主、ドロッセルに迎えられて、レイアはここでしばらく、働くことになった。

当然だが、家とは全然違った。

何度が来たことはあったのだが、その時も、広い家でお城みたいだな、と思っていた。

物語に出てくる所、みたいな。




「そうだ、是非、これを来て下さい。エリーと一緒に選んだんです」


ドロッセルは大きい包みを、レイアへと渡した。
大きいものだったので、重いかなと思ったのだが、以外に軽くて驚いた。



「これって……」

「一応、仕事着、です」

「仕事着、か。うん、わざわざありがとね」



そしてレイアは、階段を上って、部屋へと入っていった。

(ドロッセルとエリーゼが選んでくれたんだ、どんなんだろうなー♪)

わくわくしながら、レイアは包みを開けた。

白いシャツ、黒いスカート。リボン。

(お、これは、女性にとっては、永遠の憧れのカッコじゃない?)


服を広げたレイアは、高鳴る胸を抑えられずに、いそいそと着替えはじめた。







『今日、時間があったら、ドロッセルの屋敷に来れませんか?』



エリーゼから、アルヴィンの元に、一通の手紙が届けられた。

手紙を読み、アルヴィンはふと、あることを思い返す。

確か、レイアが、クレイン邸に手伝いに行くとか、言っていた気がする。


ドジなレイアだ、何かしら壊したり、ドジ踏んだりしているんだろうなと、アルヴィンはその姿を想像しながら、笑ってしまった。

一生懸命な彼女には失礼なことだが、そんなレイアを、とても可愛いと思ってしまう。

彼女の様子も見に行きたくて、アルヴィンはカラハ・シャールのクレイン邸まで足を運ばせた。


見張りの兵士に挨拶を交わし、中へと足を踏み入れるアルヴィン。



「しっかし、相変わらず広いな……。豪邸だ。さて、あのお嬢さんはどこにいるんだか」


アルヴィンは辺りを見渡し、レイアを探した。
階段の方に目をやると、お手伝いの一人だろうか、階段を掃除していた。

(おい、あのメイド、スカートの丈、短くないか?こりゃあ、見えちまうぞ)


男としての本能が働いたのか、アルヴィンはメイドの絶対領域の部分から、目を反らさずに、じっと見ていた。

あと、もう少し、もう少しで、見える。

この臨場感が堪らない。歳を重ねても変わらないんだなと実感した。



そして、その瞬間がついに訪れる。


(黒、か。まーた、セクシーな下着、身につけちゃってんの)


見えたのを確認したと同時に、アルヴィンは口笛を吹いた。
口笛に反応し、メイドは振り返る。


お互いに目を合わせた瞬間、時間が止まった。



「おま……レイア?!」
「うわっ、アルヴィン君!?なんでここにいるの?」



格好や髪型が違うから、気づかなかった。
まさかレイアだとはまったく思わなかった。

いや、メイドの格好は、何よりもおいしい。
けれど、これではまた、レイアの……パンツが見えてしまう。


「いや、あのな、レイア……」
「あ、ちょっと待って、ちりとり忘れちゃった」


レイアはいそいそと階段を駆け登る。
その時もまた、彼女のパンツがちらっと、見えてしまった。


(うわーマジかよ………ふざけんな、こんなんありかよ……)


アルヴィンは手で顔を覆い隠し、大きな溜息をついた。
これはたまったもんじゃない。

俺だけならまだしも、ここに手伝いに来てるということは、いつ誰に見られてもおかしくない。


そんなことは絶対に許さない。



「あれ、どしたの?顔覆い隠しちゃって。あ、あと、ここに来たってことは、何か用事があったんじゃ………」



アルヴィンはコートを脱ぎ、レイアへと着させた。レイアはきょとんとし、うなだれてるアルヴィンを見つめた。


「何これ、預かれってこと?」

「ちげーよ。頼むから着ててくれ」

「え、無理だよ、仕事中だもん」

「マジ本当、頼むから、着てて。ふざけんなよ、こんな格好しやがって……」




あれを見てしまっては、もうその光景が離れないし、そればかりを、思い出してしまっていた。


「せっかくのメイド服なのに。ドロッセルとエリーゼが選んでくれたんだよ」

「あいつら……マジかよ」



エリーゼが自分を呼んだのは、この姿を見せるためか、これは姫に一本取られたと思い、またアルヴィンは、片手で顔を覆い隠してしまった。





――――――――
アルレイでメイドレイアのパンチラを気にするアルヴィン(匿名様)

タイトル・関節の外れた世界


今回はリクエストありがとうございました!
拙い文ですが、楽しんでいただけると嬉しいです。



2011.10.12


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