Commemoration | ナノ


※I love you more than now(ジュミラ)





※観覧注意

















いつもよりも、遥かに、静かな、夜だ。



つい数時間前までは、たくさんの仲間や、知り合い、家族に囲まれて、ジュード、そしてミラの御祝をしてくれた。

ジュードとミラは本日、結婚式を挙げた。夫婦となったのだ。

自分達の門出を、たくさんの人が祝ってくれるなんて、こんなに幸せなことはない。

今日は、いつもと同じようで、いつもとは違う夜、だった。




二次会も終わり、ジュードとミラは予約していたホテルにチェックインし、ホテルの室内へと入っていった。

室内に入り、気が抜けたのか、ミラは、ふかふかなベッドに飛び込み、そのまま、石のような状態になり、しばらく動く気配すら感じさせなかった。


「疲れた」


ようやく発した第一声が、これか。
そしてとても重々しい。
こういう固い儀式みたいなものが、ミラはあまり好まないんだよなと、ジュードは枕にしがみついているミラを見て、軽く笑った。


「お疲れ様」


そして、部屋内の冷蔵庫に入っていた水を持ち出して、ベッドの横へと座った。
式中や、二次会で、お酒をたくさん呑んだ。今、口に含んだ冷たい感触が、アルコール度数を、少しずつだが低下させていってくれている気がする。

ミラが潰れてしまわないか、ジュードはそれだけが気掛かりだった。

披露宴中は、来賓席の方々やら、ミラがお酒が弱いのをわかっているはずなのに、お酒を注ぎにきたアルヴィンや、お酒を呑む機会が、これでもかというくらいにある。

披露宴はシステムのおかげでどうにかなったのだが、二次会はミラと席が離れていたから、彼女が酒を含んだかどうかが不明だ。

帰りも普通だったから、大丈夫であろう、と判断はしていたのだが。




「ジュード」





ベッドに寝そべっているミラが、枕を片手に、ばしばしとジュードを攻撃する。
ああ、この感じ、もしかして。とジュードは体に当たる枕を受け止めながら、ミラを見る。


「ミラ……」

「どうした、じろじろ見て」

「別に大丈夫だったから、いいんだけどさ、お酒呑んだ?」

「ああ、呑んだ」




さらりと彼女は答える。
ミラは枕の動きを止めて、起き上がり、あぐらをかいた。
あぐらをかいた足の上に枕を置き、少し呆れた顔をしているジュードを見る。


「そんな顔をするな、今日はちゃんと意識も正常だ」

「そういう問題じゃなくってさ」

「まあ、ジュード、こっちに座れ」




ミラがぽんぽんと、ベッドを叩く。
ジュードは椅子から腰を上げて、ミラが指定しているその場所に、スリッパを脱いでベッドの上に上がり、座る。

ミラは先程から、かいていたあぐらを崩し、正座した。流れでジュードも正座をし、座りこむ。


「ジュード」

「は、はい」



何を言われるんだろうと、ジュードは緊張していた。
さっきまでリラックスした姿を見せていたミラが、急に真面目になったから。



「私はこれから、君がしわくちゃになるまで、ずっと、君と共に生きていく。改めて今日から、よろしく頼むな」




そう言うと、ミラは頭を下げた。




「ミラ、僕はついてこい、なんて言えないけど、君の命が尽きる、その時までずっと、僕の隣にいて。こちらこそ、よろしくお願いします」




そうしてジュードも、頭を下げた。

しかしこうして、恥ずかしいセリフを言うのは未だになれないし、言い慣れない。

だが昔ほど、余裕はできるようになっていた。
そうでなければ、いつまでも顔を真っ赤にしていては悔しすぎる。



やがて二人は同時に、顔を上げた。
目と目が合い、無言になりつつも、次に二人がしたことは、ひとつ。

顔を近づけ合い、ゆっくりと口づけあった。
絡み合いは、スローモーションではあったのだが、とても繊細なものだった。

何度口づけを交わしても、足りない。そして、この熱を、この人以外で味わいたくないと思う。
違う、この人でなければ、ダメだった。

ミラが来ている、シルク素材のワンピースの肩紐を撫でて、そっと胸下まで脱がす。覗かせたヌーブラもそっと、外した。
口づけを続けながら、ジュードはミラをベッドの上へ寝かせ、ワンピースの隙間から見えるミラの胸を、大きな掌で撫でて、乳首を摘んだ。


「っ………」


ミラは声を漏らす。
右手の甲で唇を抑えて、襲ってくる快楽を、ジュードを、ただ、ただ、感じていたかった。

ミラの身体を隅々まで知り尽くしているジュードであったが、新婚初夜である今夜は、これからもずっと一緒にいるという事を実感したくて、ひとつひとつをゆっくりと、丁寧に行い、愛撫をした。

ミラの身体が熱くなったのを合図に、ジュードは服を取り払い、右手をミラの唇から退かせて、またミラと唇を重ね合う。


下腹部がじんわりとしてきているのが、自分でもわかっていた。

ジュードの愛情が伝わり、ミラ自身も悲鳴を上げていた。

ジュードの頭が下にいくほど、ミラは頭を振り回す。


ミラの両脚を開き、ジュードは、ばたばたしているミラをどうにか押さえ付ける。
そうしてそこから姿を見せたミラのそこを、舌を転がしながら、愛撫する。


「ぁ……っ」



ミラが腰を浮かせ、びくん、と身体全身が動いた。


「ミラ」


ジュードは愛撫を止めて、ミラを覗く。
ミラ自身も、そこも、ジュードももう、早くひとつになりたいと、叫んでいた。

ミラはうっすらと瞼を開けてジュードを見る。



「おいで、ジュード」



と、誘わせる。



「そんなこと、言わせないようにしてあげるよ」



ジュードはミラを抱き起こす。ミラはジュードの両肩に手を置いて、ゆっくりと腰を静めていく。



「ん…ああぁ………っ」



下からくる強力な痺れが、ミラを支配した。
苦しい、苦しくて息ができない。

ミラは一瞬のけ反り、また前屈みになり、ジュードにしがみつく。



「もう、喋れないでしょう?」



確かに喋れない。
ミラの口から出るのは、悲鳴に似た甘い声だけだった。

奥の奥までジュードが突いてくる為に、ミラにはもう余裕がなくなる。
ジュードをゆっくりと感じていたミラだったが、今度は速度を速めて、ジュードを感じることとなった。


「っ……ジュード…………」

「いっていいよ」

「け…ど……」

「大丈夫、僕も一緒だから」



ジュードの苦しくも快楽を感じさせる吐息が耳に入り、ミラは目を閉じて、来る刺激に備えた。



「ひ…っ………ああああぁっ……」



想像以上の快楽が、ミラを襲う。
やがてミラはのけ反り、それに合わせてジュードも倒れ込んだ。

ミラは目を見開き、覆い被さってきたジュードに、囁く。



「これからは、朝も、夜も、隣には、君がいるんだな。嬉しいよ」


「いるよ、明日も、明後日も、何年たっても」









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ジュミラ新婚初夜(匿名様)

今回はリクエストありがとうございました!
拙い文ですが、楽しんでいただけると嬉しいです。




2011.10.19


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