ストロベリーサンセット(アルレイ)
平日の昼間は、人が少ない。
休日、祝日、連休の賑わいが、嘘のようだ。
人の賑わいは少なくとも、太陽の光は、あまりにも眩しすぎる。こんがりと日焼けしてしまうだろう。
人が賑わっている方が、出店も出ると思うし、絶対に楽しいのにー!とレイアは言ったのだが、アルヴィンが断固拒否した。
人混みが苦手だ、と。
それと、自分の容姿からにして、女の子にナンパされてしまうかもしれないから、と冗談半分で言ったのだが、レイアは少々ふてくされた様子を見せていて。
「気にすんなよ、俺は、レイアにしか興味ないんだから」
思ったことをまんま口にしたら、レイアの頬が染まって、横をを向いてしまっていた。
これはレイアの癖だ。恥ずかしくなると、顔を少しだけ傾ける。
その癖がわかった時、どれほど、にやけたことか。
「こりゃ、とんでもないくらいの暑さだな…………」
砂浜に足を踏み入れ、アルヴィンは、照り続ける太陽の光を腕で覆い隠し、雲一つない大空を見上げた。
絶好の海日和だった。
彼女と来ることができてよかった、と心からそう思う。
「海だー!!」
アルヴィンを横切り、レイアが駆け出しで、海へと走り出す。
やれやれ、今日も元気だなとアルヴィンは息をつく。
が、同時にレイアの水着姿を見ては、あまりの露出の高さに、アルヴィンは慌てて走り出した。
「レイア!」
「なーに?」
くるっとレイアが振り向く。
白をベースとし、腰に若干のフリルが合わさった、ビキニ姿。
レイアがどうしたの、と首を傾げる。
(やべえ……これは……反則だろ)
心臓が止まったかと、思った。
スクール水着みたいなものをきてくるのではないかと思っていたが、予想とまったく違っていた。
レイアの細い体が綺麗に露出されていて。
「……い」
「え、なーに、聞こえない」
あまりの小声に聞き取れず、レイアは耳に右手を添えて、もう一度と促す。
反射的にアルヴィンは、レイアを突き飛ばし、レイアは海水に浸かり、体が濡れた。
「何すん……」
「だー、くそっ、可愛いって言ったんだよ、このバカ!」
「え…………」
きゅん、と胸が高鳴る。
レイアも改めて、アルヴィンの身体をじろじろと見た。
身体の造りは細いのに、でもすごい筋肉だ。どれだけのトレーニングを重ねてきたのだろう。
しばらくレイアは、アルヴィンをじーっと見た。
レイアがじーっと見ていることに気づきつつも、アルヴィンは自分を見るレイアが可愛すぎて、目を閉じてどうにか耐えた。
「おわっ」
しめた、とレイアはアルヴィンをぐいぐい引っ張り、海水へと浸からせた。
「てめ……」
「そっちから、やってきたんだよ?」
四つん這いになりながら、レイアがアルヴィンに近づく。
アルヴィンが、ぷいっと横を向く。それを見たレイアはくすっと笑う。
耳が赤くなっている。
彼が恥ずかしがっている証拠だ。
つんつん、と彼のむくれている頬を、人差し指でついてみる。
「レイア」
「だって、横向いてるから」
「お前なー……」
アルヴィンはレイアに思い切り、水をぶっかけた。
その反動でレイアが少し離れた。
離れたのを見計らって、またレイアに思い切り、水をかけた。
「もー、やったなー!」
レイアにかけた水の量に負けないくらいの水が、アルヴィンへと降り注ぐ。
「うおっ」
「負けないもーん」
「男をナメんじゃねえぞ」
これでもかというくらいの、水の掛け合いをアルヴィンとレイアは行った。
それが本当に楽しかった。
たくさん、ぐしゃぐしゃに濡れてしまったけれど、たくさん、笑った。
そして頃合いを見計らったアルヴィンが、レイアの手首を掴み、動きを止める。
「どうしたの?」
「やばい。おたく、可愛すぎる」
「え……」
「人が少なくてよかった、濡れたお前が、また妙にエロいんだよ」
アルヴィンはレイアにぴったり、と寄り添う。
それから腕を絡ませた。
直接肌が触れ合っているせいか、体が濡れているせいか、いつもと感じが違う。
レイアを絞りとってしまうくらいの、きつい抱擁。
アルヴィンの中に、吸い込まれてしまいそうだ。
「ちょっと、見てる人がいるよ」
「美男美女カップルのイチャつきぶりを、見せびらかしてんだよ」
「自分で言うー?」
「けど、事実だろ」
身体を離したアルヴィンは、レイアにキスをしようと思った。
レイアはされると思って、ドキドキして、アルヴィンを見れずにいた。
「やめた、レイアのキスしてる顔、他の奴に見せたくねえから、今はこれで我慢しとく」
湿った身体がまた、熱を帯びていく。
もうやめて、これ以上、暑くなったら、体が溶けてなくなっちゃうよ。
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アルレイ海水浴で甘甘(匿名様)
タイトル・涙星マーメイドライオン
今回水着はDLCとは別のにしました。
今回はリクエストありがとうございました!
拙い文ですが、楽しんでいただけると嬉しいです。
2011.10.19
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