「すぐに返事を考えなくていいわ。先に大広間で待ってるから、後から…来てくれたら嬉しい。いつも通りに親友の時みたいにしてくれるだけでも私は……」

戸惑っている私を見たリリーの目に、大粒の涙が浮かび上がって、ぽたりと落ちた。髪の毛と同じくらいにそばかすのある頬を赤く染めて、嘘は言っていないことが表情で伝わってきた。

「後でね、名前」

じっと私を見つめた後、スカートをひるがえして談話室へ向かってしまった。

「……」

あの、私が一方的に嫌っていたリリーは、その反対に、私を…私を……好き?

思わず頭を抱え込んでしまった。なんなんだ色々としっちゃかめっちゃかじゃないか。いきなり、いや、リリーからしたらいきなりではないのかもしれないけど、それでしつこかったのかもしれないけど、いやいや本当に、…混乱してきた。


「あ?…そんなところでしゃがみ込んで何してんだお前」

「は!?誰!?死ねよ!!」

「なんなんだよホントお前!なんで心配して声かけたらいちいち死ねって言われなきゃいけねーんだ!!」

「…は?シリウスじゃん。何してんの」

「はぁぁ?お前だろそれ。何してたんだよ」

「シリウスさ〜、私と付き合わない?」

「仮にお前がHカップあっても無理だな。来世でも無理だから3回は死ね」

「だよね〜」

「……。ホントに何?気持ち悪りぃよ」

「ねえ。リリーに告白されたって言ったらどうする?」

「…………は?」

「あ〜もう考えるのめんどくさいな〜付き合っちゃうかな〜〜」

「頭打ったのお前」

「打ってないよ…。あ!!思い出した!!お前ジェームズに私のこと言ったろ!!」

「やべ」

「ぜってー殺す!!お前だけは殺す!!お前のせいで振られたんだわ!!!!」

「あ〜〜〜。それな〜〜……ごめん。まさか振られたとは…あはは!おもしれ〜〜!!」

「死ね!」

ガツンと一発本気グーパンチを腰に入れてやった。死ね!


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