あの後何度も、リリーに謝られました。「私が行かせたからよ」と言っていましたが、彼女は何もしていません。シリウスに嫌われてしまったのは私が悪い、ただそれだけの話でした。
あれから学年が上がりました。何ヶ月経っても、シリウスから話しかけてくれる事は相変わらずありません。
そして、私から話しかけることもなくなりました。
「名前は最近本の虫ね」
「はい。リリーは頭が良いので、いらないかもしれませんね」
「あはは、そんな事ないわよ」
「…シリウスは、元気ですか?」
ですがシリウスの事をまだ愛していました。
「ええ…元気が良すぎるくらいよ。悪戯仕掛け人だなんて言って、ポッター達と色々しているみたいよ」
「“いたずら”?なんだか楽しそうです」
「楽しいなんて。あの人、いや、主にポッターは私の友達のセブルスをいじめているのよ。悪戯なんて言い方では済まないわよ、あれは……」
「スネイプ?いじめているだなんて……シリウスもですか?」
「ええ。あの人たちは闇の魔術を毛嫌いしているのよ。たまたま……セブルスが勉強しているところを目撃してから目の敵にしているのよ」
「…闇の魔術、ですか」
私はスネイプの事は知っていました。スネイプが、闇の魔術が得意だという事も知っていました。
彼女は頭を抱えるような仕草をし、私はその揺れた赤い髪の毛をただただ見つめていました。シリウスがいじめに加担をしている事は信じられません。あの、心の優しいシリウスに限ってそんな事は考えられませんでした。
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