久々知兵助は愕然とした。これは一体何事だというのか。
今夜は珍しく、いつもの友人たちでちょっとした酒盛りである。そしてちょっと席を外しただけなのに。
あ、う、と言葉にならない声で呆然とその光景を見つめる。
「おー、何してんだへーすけ」
言葉に反応することさえできずに固まっている久々知を、鉢屋は面白いものを見るような目でにまにまと眺めてた。その隣では雷蔵が爆睡している。
「な、なんで」
久々知の目の前では竹谷と勘右衛門がけらけらと笑いながらじゃれ合っていた。
何故、どうしてと久々知はぐるぐると混乱する。
酔っぱらってるゆえにテンションが上がってるだけだということには気づいていない。なぜなら彼も立派な酔っぱらいである。


何でお前らそんな仲良しこよしになってんのてか八お前伊賀崎がいるじゃねえか何勘ちゃんに手を出してんの俺に会うたびに伊賀崎がどうしたの何言ったの可愛いだのでれでれと報告してくるくせに黙って聞いてるけどあれ結構鬱陶しいんだけど他人ののろけとかいやもう本当ふざけんな勘ちゃんはだって勘ちゃんだけは、


「勘ちゃんはい組の勘ちゃんです!」
思わず口をついた言葉に、それまできゃらきゃらとじゃれついていた二人がポカンと動きを止めた。
「え、兵助…?」
「は、何お前どうし」
言いかけられた言葉を遮りどすどすと近寄ると、べりっと渾身の力で竹谷を引き剥がしてそのまま投げ飛ばす。
ぎゃああと悲鳴があがり、次いでどすんといういかにも痛そうな音。
酔っぱらいと言えどもい組の名は伊達ではない──と言うよりも酔っぱらいゆえにむしろ手加減がない。
目を回した竹谷を見て鉢屋が盛大に大笑いしてるのを尻目に、久々知は仁王立ちで肩を怒らせていた。
「へ、兵す」
「ろ組なんかに渡しませんからあっ!」
言いきってがばりと勘右衛門もしがみつく。
え、え?と現状がよくわからないながらもえぐえぐと嗚咽を漏らす久々知の背を優しく叩いてやった。






………な、なぎスケさんにこっそり捧げます…
だって尾浜とか竹孫とか次孫っていってたからついカッとなっちまっただよ…
そしてこのていたらくである





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秋さんって神だったんですね
知ってましたっ!!!(何

私のわがままを聞いて頂いたんだ!
久々勘!久々勘!!
ステキ過ぎるよぉぉ
「勘ちゃんはい組の勘ちゃんです!」
は名言(^^)

秋さん本当にありがとございましたv









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