シャッターチャンス


∴女子校に通う年下彼女



『ぶーんちゃんっ』


カシャッ




「…え、」

『ぶんちゃんの写真撮っちゃった』

急に名前呼ばれたと思ったら、携帯片手に喜ぶ俺の彼女、ゆず。

ちらっと見せてきた携帯の画面には、少し間抜けな俺の顔。







『これもロッカーに貼っちゃお!』

「…は!?」

うきうきとしながら赤外線でプリンターにさっきの画像を転送して印刷し始めるゆずに、俺は笑えるくらいキョトン、としてしまった。


…ゆずはやることが早いぜぃ。


って、そうじゃなくて!






「今、これ『も』って言ったよな!?」

『うん』

「『も』ってことは、他にも…」

『あるよ、ふふっ』

にいっと笑ながらかこかこと携帯を操作して、何かの画像を見せてくる。




「これ…」

携帯の画面いっぱいには、灰色のロッカーの奥に貼ってある俺の写真。




『これ、学校で使ってるあたしのロッカーなんだけどね、友だちと、好きな人の写真貼っちゃおう!みたいな』

「や、『みたいな』じゃないだろぃ…」

『え、だめ?』

なんで?って顔して見られても…







だめっつーか、恥ずかしいだろぃ。




『いいと思ったんだけどなぁ…』

しょげたように携帯を閉じるゆず。






…あ、天才的なこと思いついたぜぃ





「ゆず、ここ来て」

ソファの下に寄りかかるように座っていたゆずを持ち上げて、ソファに座っていた自分の脚の間に座らせる。






『え、なに…』


「はい、ちーず」


カシャッ






『なっ……なななっ…』


「っはは、ゆず変な顔」

撮れた写真を見て笑う俺と真っ赤になって頬をおさえるゆず。






『…っ、ちゅう!することないじゃんっ!』

「これも貼る?」




『…貼れないもんっ!!ぶんちゃんのばかっ!』





想像以上のゆずの反応に、やっぱ俺って天才的だろぃ☆、なんて心の中でウインクかまして。

後でこれ俺の携帯に送っとこ。

 



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