◎シャッターチャンス
∴女子校に通う年下彼女
『ぶーんちゃんっ』
カシャッ
「…え、」
『ぶんちゃんの写真撮っちゃった』
急に名前呼ばれたと思ったら、携帯片手に喜ぶ俺の彼女、ゆず。
ちらっと見せてきた携帯の画面には、少し間抜けな俺の顔。
『これもロッカーに貼っちゃお!』
「…は!?」
うきうきとしながら赤外線でプリンターにさっきの画像を転送して印刷し始めるゆずに、俺は笑えるくらいキョトン、としてしまった。
…ゆずはやることが早いぜぃ。
って、そうじゃなくて!
「今、これ『も』って言ったよな!?」
『うん』
「『も』ってことは、他にも…」
『あるよ、ふふっ』
にいっと笑ながらかこかこと携帯を操作して、何かの画像を見せてくる。
「これ…」
携帯の画面いっぱいには、灰色のロッカーの奥に貼ってある俺の写真。
『これ、学校で使ってるあたしのロッカーなんだけどね、友だちと、好きな人の写真貼っちゃおう!みたいな』
「や、『みたいな』じゃないだろぃ…」
『え、だめ?』
なんで?って顔して見られても…
だめっつーか、恥ずかしいだろぃ。
『いいと思ったんだけどなぁ…』
しょげたように携帯を閉じるゆず。
…あ、天才的なこと思いついたぜぃ
「ゆず、ここ来て」
ソファの下に寄りかかるように座っていたゆずを持ち上げて、ソファに座っていた自分の脚の間に座らせる。
『え、なに…』
「はい、ちーず」
カシャッ
『なっ……なななっ…』
「っはは、ゆず変な顔」
撮れた写真を見て笑う俺と真っ赤になって頬をおさえるゆず。
『…っ、ちゅう!することないじゃんっ!』
「これも貼る?」
『…貼れないもんっ!!ぶんちゃんのばかっ!』
想像以上のゆずの反応に、やっぱ俺って天才的だろぃ☆、なんて心の中でウインクかまして。
後でこれ俺の携帯に送っとこ。
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