それは雪とともに...








文芸部の部室で、かんな、志乃、なのの3人は明日の紫の誕生日会に向けて準備をしていた




「紫ちゃん、部室にいきなり入って来ないかしら?」
「あっ、それアタシも思った。」
「それに関しては大丈夫です。剣道部の力をお借りして紫センパイは只今剣道中ですから。」
「なら大丈夫だね。」
「それに部室のドアに『紫センパイは絶対立ち入り禁止!』って貼り紙してありますから。」
「なのちゃん、それはどうかと思うわよ?」
「えー、ダメでしたかあ?」
「まっ、いいんじゃない?なのちゃんだし。」
「そうね、なのちゃんだしね。」
「もー!何ですかそれー。」



なののぶーたれ顔にひとしきり笑いあった後、紫へ渡すメッセージカードにそれぞれ書き込んだ



「これで前日準備は終わりかしらね。」
「そうだね、完璧でしょ。」
「それにしても寒いですー。」
「確かに今日は冷えるね。」
「じゃあ暖かいお紅茶淹れましょうね。」
「わーい。」



かんながテキパキと紅茶を淹れ、志乃が用意してあったクッキーをお皿に広げ、なのは涎を出さんばかりに待っている



「ではお茶にしましょう。」
「頂きます。」
「頂きまーす。」



3人がティーカップに口を付けると同時に部室のドアが開いた



「部室のドアに貼ってある貼り紙書いたの、吉野?」
「ちょっと北条くん!ビックリさせないでよ!それになぜ分かったの?」
「アホッぽい丸っこい字を書くのもあんなアホッぽい文章書くのも吉野しかいないし。」
「アホッぽいって何よ!」
「まあまあ、その位にしなよ。なのちゃん、クッキー無くなるよ?」
「ヤダ!食べます。」



なのがクッキーを頬張ってる間に志乃が大海に詰め寄った



「北条くん、明日は大丈夫よね?」
「大丈夫ですよ、佐伯センパイ。僕を誰だと思ってるんですか?」
「北条大海。」
「佐伯センパイまで何言ってるんですか...。」
「さあみんな。準備は終わったし、明日に備えて帰りましょう。」



かんながパンパンと手を叩き、みんなそれぞれ帰り支度を始めた



「では僕は紫サンを迎えに剣道部に行って来ます。明日宜しくお願いします。」



一礼して部室を後にする大海
3人も部室を後にし、昇降口で空から降るあるものに気付く



「うわあ!かんなセンパイ、志乃センパイ、雪降ってますよ!」
「どーりで寒さが尋常じゃないはずだね。」
「積もるかしらね?」
「積もったら明日はホワイトバースデーですね。」
「素敵だね。」
「ロマンチックだわ。」



3人が暫し雪に見とれていると、校門を出ようとする紫と大海が見えた





「紫サン、雪なんてスゴいですね。」
「ああ。この時期に降るなんてかなり珍しいんじゃないか?」
「寒くないですか?」
「大丈夫だ。」
「僕は寒いので、手を繋ぎますね。」
「ちょっと待て。」
「待ちません。」



大海は紫の手を優しく握り自分のコートの中に入れ、紫を見つめた



「さあ、帰りましょう。紫サンが風邪引いたら大変ですから。それに明日は僕にとって1年で1番素晴らしい日ですから。」
「...ああ。」
「照れる紫サン可愛いです。」
「煩い。」
「超可愛いです。」
「黙れ。」
「大好きです。」
「//////。」




「なんか超いい雰囲気じゃないですか!?」
「そうね。二人の周りにハートが飛んでるのが見えるわ。」
「悔しいけど、見えるね。」
「んっもう。あたしも悔しいですけど、明日は大切な日なので見逃します。」
「なのちゃんに同意。」
「私達も帰りましょうか。」


それは雪とともに...
(明日への楽しみを乗せて)





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