Peach!









「ねーねー、ひーくん。」
「なんだ?」
「お尻って『おいど』って言うんだってー。」
「ぶはっ!ゲホッゴホッ。」


聖は部活終わりに飲んでいたお茶を、盛大に吹いた



「ひーくん大丈夫!?」
「お前は突然何を言うんだ!」
「はい、タオル。口のまわりびちょびちょだよ。」
「お前のせいだろーがっ!」


怒った聖はなのの頭に拳骨を落とした



「いったーい!」
「久しぶりに部活に出たかと思ったらいきなり何を言うんだ。」
「だって、今日志乃センパイが教えてくれたから。あっ、でね、漢字だと御居処って書くんだよ。これはひーくんにも伝えなくちゃって思って。」
「だからなんでそこで俺が出てくる。」


なのから差し出されたタオルを返し、袴から制服に着替え終わった聖は帰り支度を始めた



「そもそもなぜ佐伯先輩とそんな話になったんだ?」
「志乃センパイが『なのちゃんお尻好きよね?』って聞いてきたから、『はい、好きですー。』って答えたのがキッカケだよ。」
「おい、そこは違うと否定しろ。佐伯先輩もなぜそんな質問を... ?」
「わっかんなーい。お尻な気分だったんじゃない?やだあ萌える
「理解不能過ぎる。」



聖はため息をつき、部室を出ようとカバンを持つとなのの口から耳を疑う言葉が発せられた


「あのね、ひーくん。志乃センパイは小さくて可愛いお尻をしていてね、紫センパイは程好く筋肉がついていてキュッて引き締まってるお尻なの。かんなセンパイは正しく桃尻。みんないいお尻してるの。でもね?ひーくんが形や大きさ諸々断トツでいいお尻してるんだよねー♪」
「お前はセクハラ親父かっ!」


本日2度目となる拳骨がなのに落ちた



「だから痛いってば!」
「自業自得だろうが。」
「下野くん、なのちゃんが可愛いからってそんなに苛めたらダメよ。」
「いじめてません。」
「お疲れ様です、花澤センパーイ。」
「お疲れ様、なのちゃん。で、なのちゃん的に私のお尻はどう?」
「聞いちゃいますか?花澤センパイ。」
「聞いちゃう、聞いちゃう。」


なのと星良がハシャぐ横で聖は手をワナワナと震わせ、3度目の拳骨が落ちるかと思った刹那


「では俺のはどーだ、吉野よ!」



扉をバーンと開け放ちパンツ一丁で現れた弓道部・部長の柿原


「ちょっと柿原くん何してるのよ。制服着なさいよ!」
「柿原部長何してるんですか。」
「わー!柿原センパイ、パンツ一丁だあー。」
「俺のお尻見るか?」



そう言って後ろを向きパンツを下ろそうとする柿原


「何してるんすか、柿原部長ー!!」
「キャー!!」



慌ててパンツを掴む寺嶋
柿原に制服を投げつける花澤
部長の理解不能な行動に困惑する聖
男性の下着姿&裸には慣れっこで平然としているなの(兄が3人いる為)
他に残っていた女子部員達の悲鳴と怒号が部室に響き渡る



「ねえ、柿原センパイはバカなの?」
「吉野にだけは言われたくない言葉だな。柿原部長はあれでも試験では、毎回学年20位には入ってるからな。」
「.........マヂで!?」




Peach!




「オイオイ、ちょっとしたジョークだ。俺が本当に脱ぐはずがないだろーがっ!!」



柿原の叫びは誰にも届かず、翌日から女子部員全員に「ヘンタイ柿原」と呼ばれる事となった





fin





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