悪夢の始まり









「ダーリン♪おはよー」



ダーリン?空耳だろうか
まさか朝から俺の事をダーリンなどと気安く呼ぶヤツなど、この学校にはいないはずだ

しかも女で


気のせいだな
俺は気にせず歩き出した所で、空耳ではない事を知る





悪夢の始まり





「もー、さっきからおはよーって挨拶してるのに無視しないでよ、ダーリン」



…出た。迷惑女!



「お前は誰に向かってダーリンなどと戯言を言っている」
「えー、下野聖くん」
「昨日、2度と近づくなと言ったはずだ」
「言ってたね〜」
「聞いてたなら俺に話し掛けるな!近づくな!」
「えー、やだ〜」



こいつは日本語を理解出来ないのか?
朝から理解不能なヤツに付き合う義理もなく、俺は無視して歩き出した



「待ってよ、ダーリン」
「だから俺はお前のダーリンではない!」
「あたしの好きなが抜けてたよ〜。あたしの好きなダーリン、おはよーっだった」
「はあ!?」



廊下なのに思わず大声を出してしまった
本当にこいつはなんなんだ?



「俺はお前にその気持ちは迷惑だと伝えたはずだ」
「でもあたしは好きだから。仕方がないじゃん?」
「仕方がないでは済まないだろうが。俺は非常に迷惑だ。」
「あっ、ねえ、あたしはお前じゃなくって吉野なの。吉野なのって言うの。覚えておいてね〜」



こいつは俺の気持ちも言葉もマルッと無視して、C組の教室に行ってしまった


そうか、吉野なのは宇宙人なんだ
日本語が全く理解出来ない地球外生物なのか
そう自分に言い聞かせ、俺も自分の教室に入った





次の日の朝−
廊下を歩いていると、耳を疑う日本語が聞こえた



「ひーくん、おはよー♪」


来たな!宇宙人!
つか、ひーくん!?



「お前…、今なんて言った?」
「ひーくん♪ダーリンがダメっていうから、あたし一晩考えて決めたんだよ」
「ふざけるな。ひーくんなどと、気安く呼ぶな」
「えー、ひーくんって呼び名いいじゃん」
「というか、お前は人の話を聞かないだろう?2度と近づくなと言ったはずだ。何度も言わせるな」
「あたしは近づきたいから、負けないもん。あっ、予鈴が鳴ったから教室に戻るね。じゃあね、ひーくん♪」



本当に一体なんなんだ!!!!



こいつのせいで、悪夢の日々が始まった…



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