愛が届かない 2nd |
11月11日はポッ○ーの日じゃなくて… あたしが大好きなかんなセンパイの誕生日! 今月もセンパイの誕生日を祝えて、なの幸せ〜 先月の志乃センパイの誕生日パーティーの時にあたしのケーキは残念な結果になったから、今回はケーキじゃなくって… そうだ!クッキーなら次の日でも渡せるから、万が一また………いや、大丈夫!今回は大丈夫! 宮本センパイはかんなセンパイを拉致なんてしないはず! 日曜日、あたしはかんなセンパイに渡すクッキーに必要な材料を買いに出かけた 「で、悠お兄ちゃんなんで一緒にいるの?」 「僕は本を買いに行くんだよ」 「いっつも難しい本ばっかり読んでるよね」 「そんな事はないよ。なのが読む本だって読むし」 「えっ、それって漫画って事?」 「そう」 「もー、悠お兄ちゃんってばー」 「ごめん、ごめん」 悠お兄ちゃんと話すのは好き 上2人と違って落ち着いてるし、あたしの話をちゃんと聞いてくれる どことなく、雰囲気はひーくんと似てるんだよね 「何?僕の顔に何かついてる?」「ううん」 「じゃあ、本屋ここだから。気をつけて買い物するんだよ」 「悠お兄ちゃんも意外と心配性だよね〜」 「意外とは心外だね。いつも心配してるけど?」 「えへへ。ありがとう♪じゃあね」 悠お兄ちゃんと別れて、スーパーで必要な材料を買って帰宅した 材料を並べてふと思った 「そういえば、クッキーってどう作るの?」 「やっぱり知らなかったんだね」 リビングのドアから悠お兄ちゃんが溜息混じりで入って来た 「なんで材料は分かるのに、作り方知らないの?」 「えー、だって、大体ケーキと材料は同じかなと思って♪エヘ♪」 「そうだろうと思って、お菓子の本も買って来たよ」 「マヂ?本当に尊敬するよ、悠お兄ちゃん」 「はい、頑張って」 「ありがとう」 それからリビングで読書をしている悠お兄ちゃんに見守られながら、クッキーを作りあげた 「完成ー!」 「これ…、犬?」 「そう、わんちゃーん!可愛いでしょ?」 「なかなか上手く出来てるね」 「はい、悠お兄ちゃんにもわんちゃんクッキーあげるね」「ありがとう、頂くよ」 「美味しいでしょ?」 「…甘いね」 「なのの愛情たっぷりだからね♪」 なのは鼻歌を歌いながらキッチンに戻ってしまった 甘いとかのレベルを越えてるよ…、なの… キッチンに戻ったあたしはわんちゃんクッキーを袋に入れて可愛くラッピングした 1つはかんなセンパイに もう1つはひーくんに クッキーが割れないようにカゴに入れて、戸棚に入れた 明日が楽しみだなー♪ 次の日の朝、戸棚を開けるとクッキーの袋はなくカゴだけが残っていた… 「え!?なんでー???」 カゴの中をよく見ると、メモが入っていた 『愛しのなのへ お兄ちゃん達の為に愛情クッキーありがとう こんなに可愛いらしいクッキーは見たことがないよ 大事に大事に頂くからね 愛してるよ、なの 蒼&奏より』 愛が届かない 「あたしの渾身のわんちゃんクッキィィィィィィィ!!!」 今回は学校にすら持って行けなかった… なんて日だっ!! 今日のあたしの運勢どうなってるのー!? fin |