奏の探偵File 天誅 @




紫×大海2三年生編
「ダイジナモノ14」
−身から出た錆び−にリンクしているお話です








ある日の夜、普段ならこんな時間には掛かってこないはずの相手からの電話が来た



「吉野。頼みがあるんだけど……」


同級生の北条くんからだった


「ひーくんからが良かったっ!」

ちょっと文句を言ってみた



「吉野さ、紫サンのこと好きだよね?」
「(無視かい)当たり前じゃない。何言ってるの?」
「じゃあさ、紫サンを陥れようとしている相手がいたら、どう思う?」
「天誅が下ればいいと思う。ってかあたしが下す!」
「良かった。……じゃあさ、君の探偵のお兄さんに頼んでくれない? 弱みを握りたい相手がいるんだ」
「ええっ!? 今のマジ話? ……相手誰?」
「それは言えない。全部終わったら話すから、今は聞かないで」
「えー気になるー」
「頼む。できる限り秘密にしたいんだ。紫サンのためにも……」
「……聞かない方がセンパイのためなの?」
「うん。……ごめん」
「わかった。奏お兄ちゃんに頼んでみる。紫センパイ



に手を出すヤツなんて、絶対に許せないんだから!」
「ありがとう。受けてもらえるなら、情報はまた封書で渡すから」










そう言われて電話が切れた



なんか分からないけど、あたし頑張る!
あたしの大好きな紫センパイを陥れるヤツに天誅くだーすっ!!



それに…、北条くんの本気が声から伝わってきたから……
あんなに静かに怒る北条くんは初めてかもしれない



それからすぐにあたしは奏お兄ちゃんに電話をした



「天誅〜っっ!!
奏お兄ちゃん、10分以内に帰宅しないと明日から口聞かないんだから!」



そして、10分も経たないうちに自宅のドアが勢いよく開いた





奏の探偵File
− 天誅 @−





かったるい案件の仕事も片付いたし、今夜は誰に可愛がってもらおっかな〜♪
ケータイに入っているお姉様達の名前を模索していると、この世で1番可愛い姫からの着信にケータイが嬉しそうに鳴りだした

奏お兄ちゃんの声が聞きたくなっちゃったのかな〜?


「はいは〜い♪なのひ…」
「天誅〜っっ!!
奏お兄ちゃん、10分以内に帰宅しないと明日から口聞かないんだから!」



そう叫び声が聞こえてケータイが切れた




ん〜、なんてワイルドでラブリーなラブコール♪
急いで帰宅せねば!
奏、マッハで帰宅するからー♪


車を飛ばし、自宅へと戻る
玄関を乱暴に開け、一気になの姫の部屋へと走る


「なの姫お待たせ〜♪
そんなにお兄ちゃんに会いたかったのかな〜?」

「…………」

「? なの姫〜?」

ね、寝てる!?!?
マヂ?
あの電話から10分もたってないのに……


………………寝顔、写メしちゃお♪
奏のお宝コレクションに保存っと
ん?俺へのラブレター?


奏お兄ちゃんへ
天誅下したい相手がいるので、仕事して!


…だから天誅なんて叫んでたんだ
なのの頼みは断るなんて絶対あり得ないからね〜
俺はラブレターにハートマークを書き込んでおいた


さあ、なのが天誅を下したい相手は誰だ?

日常 かんな 志乃 なの 紫1 
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