![]() | ヒロくんと先生のマニアックな話 |
※会話文のみの非常にマニアックな話です。 「『メガネウラ』って、僕ずっと、『メガネ・ウラ』だと思ってたんです」 「あれは『メガ・ネウラ』でしょ?」 「みたいですね。でもトンボだからメガネだと思ってたんです」 「何で?」 「ほら、『トンボのメガネ』って歌あるでしょう? だから『メガネウラ』なんだって……ちょっと子ども心にロマンを感じてたんです」 「そういう解釈も面白いね。確かに、子どもの好奇心を刺激しそうだ」 「でも! 日本人なら『メガネ』と『ウラ』に分けたくなりません?」 「そう?」 「そう思わないのは先生が詳しいからですよ」 「……そう?」 (別に『メガネ』でも『メガ』でも、『ウラ』でも『ネウラ』でもいいじゃん! 何ソレそこで盛り上がれなきゃ先生とトーク弾まないの!? て言うかそもそも『メガネウラ』って何!? なんでトンボのメガネ!?) 「せ……先生」 「……何?」 「メガネウラ……って何ですか?」 「メガネウラは、古生代石炭紀末期の森に生息していた、原蜻蛉目(げん-せいれい-もく)に分類される原始的なトンボだ。 中でもメガネウロプシス・アメリカラは、その大きさが70センチメートル前後に達し、現在知られている限りでは史上最大の昆虫になる。同時に史上最大の飛翔性節足動物でもある」 (どうしよう……先生のスイッチ入っちゃった……。さっぱりわかんないんだけど) 「要するに、2億9,000万年くらい前の地球にいた、生まれたての赤ちゃんよりもずっとでっかいトンボのことですよ、佐伯センパイ」 「……北条君の身も蓋もない説明が心からありがたいわ……」 「なんで解らないの?」 「椎名先生……説明がちょっと専門的すぎますよ」 「そう?」 「『メガネウラ』の『メガ』は、『メガ○ック』の『メガ』とかとおんなじ意味なんですよ。平たく言えば『でっかい羽』って意味です」 「うん、そう言われるとわかりやすい」 「正確には『巨大な翅脈を持つもの』の意だよ」 「……先生、翅脈の意味がわかりません」 「…………。だからどうして俺の説明じゃ解らないかな……」 「先生はそれでいいんですよ。むしろ先生の口から『メガマ○ク』とか出てきたらビックリします」 「ヒロくん……ありがとう」 (だからそうやって先生の心をさらうな!) 『メガネウラ(Meganeura)』 (でもなんだかナ○シカみたいな世界……そう考えたらちょっとときめくかも) 志乃の新しい扉が開く……か? |