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マイホームラブ2

二人が一階へ降りると、双子たちはきちんと食卓についていました。目の前のテーブルにはトトとイムのための朝食のような昼食のような、簡単で軽めの食事が並べられています。それにコロナは先ほど主人に言われた通りに、お茶を少し熱めに用意しておきました。おいしく飲めるようにカップも適度に温めて、ポッドからは葉のいい香りがマイホームを包み込むように漂いました。そのお茶はコロナ自慢の庭から調達したハーブを使用したもので、イムはそれが大好きでした。だからイムはさっと席についてお茶を口にするなり、コロナとお茶を大いに褒め讃えました。その称賛の言葉は少しオーバーで、でもそれは双子の様子がいつもより暗い、というよりも何かに怯えた様子だったからでした。イムは何気なく雰囲気を良くしようとしたのでした。

「コロナ、これあなたの育てたハーブのお茶よね。朝にこれを飲むとシャキっとするんだよねえ。嬉しいな〜おいしいな〜」

「朝って!もう昼だよ!」

バドはイムのボケに吊られてか、彼女の寝坊を指摘して笑いをとりました。しかし、先ほどのトトの怒りを思い出し、ハッと押し黙ってしまいます。イムには、トトが席につくと双子たちはさらに硬くなったようにみえました。なにか確信を得た彼女はトトに問いました。

「あなた何かしたでしょ」

イムはじろりとトト見ました。

「何もしてないよ」とトトは答え、はやく食事を摂ってしまえと言うなり、自分はペット牧場の方にいってしまいます。その様子を見届けた三人は、チラチラと目を見合わせます。

「ねぇ、二人とも、何かトトを怒らせることしちゃったんじゃない?」
「あたしはしてません!バドが余計なことを言っていたけど」

コロナはイムの問い掛けに対して、気を害した様子でした。それはそうでしょう、弟の過ちにより、とばっちりを受けた身ですから。

「またバドが何かしたんだ。何したの?正直に言いなさんな」
「怒らない?」
「もちろんですとも」

バドがモジモジする姿をみて、イムは何だか家政婦のような喋り方をして、おまけに食べ掛けのパンを手に持ちながら、片目を瞑ってみせました。しかし、それが逆に頼りない印象を与えることに彼女は気付いていないのです。

「師匠たちの間柄に口出ししちゃったんだ。」

バドは俯きながらボソボソと答えます。でもイムはよく聞き取れなくて、「なんて?」と聞き返して、そして理由を聞くと大いに笑いました。

「それでトトが怒ったのね。彼にはいい薬になるわ!最近ますますお高くとまってるんだから。バド、いい仕事したよ」
「大丈夫かな?」
「大丈夫、大丈夫!」

心配する少年をからかうように、笑っては宥めるイムにコロナは素直に聞きました。

「マスターたちは、ちっとも心配いらないよね?」

そう問うコロナを見て、バドもイムの返答を待ちます。双子の目はしっかりイムの目を見ていました。

「当たり前でしょ!はいはい!お茶おかわり!」

イムがそう言って、にっこり微笑んだものだから、マイホームの張りつめていた空気もそっと綻んで、双子たちも笑顔を取り戻したように見えました。



つづく