03 | ナノ





03
Let's Change Her Image!!



「ルーシィ、やっぱり#夢主名前#って可愛いわね。」

ギルドのカウンターでミラは言った。


「いっつもあんな格好ですけどねー。
 スカートとか履いたらいいのに。


 そういえば、ミラさん、#夢主名前#って、実はモテてますよね。隠れファンみたいなのとか。

 …わかりやすい奴らもいますけど。」

ルーシィは何人かに目をやった。

「えぇ。ナツに、グレイ…はよくわからないけど、ラクサスもだし、ミストガンもそうじゃないかしら?

 他にも結構いるのよ?」

「そんなに…
 じゃあ…、カナタはどうなんですか?付き合ってるのかと思えばそうでもないし、彼女も居ないんでしょ。
 顔とか良いから寄ってくる娘も多いんじゃない?」

「そうねぇ、迫られてるのはよく見るわ。」

「ぶふっ…!」

「#夢主名前#とは、普段の様子では、恋愛っていうよいも家族愛っぽいのだけど…。

 でもね、前かなり酔っていたときに、こんなこときいたのよ。」



*****

[俺は#夢主名前#を見ると…。
 よくわからないけど心臓を掴まれたみたいに、きゅーって。きゅーってなって、何か痛いんだ。
 たまに"兄ちゃん"みてえに懐かれてんのが嫌になるし…。]

カナタは顔を赤くし言った。
赤いのは酒の所為なのか、はたまた別のところに原因があるのか…


「ふふ、そうなの」

[なに笑ってんだ…。]


「ごめんね、気にしないで。
 でも何でお兄ちゃんじゃだめなの?」

[そんなの俺が知りてえよ…。]


拗ねるようにグラスの氷を見つめ言う。
溶けた氷から、また少し滴が垂れた。

熱く色づいた息が漏れる。


「じゃあ良いこと教えてあげる。」

[ん…?]

カナタは俯せ腕に顔を乗せたまま、ミラへと僅かに焦点のズレた目線を送る。
酒も随分と回っているようだ。


「#夢主名前#を誰にも渡したくなくなって、自分だけを見て欲しくなって、触れたいって、

 そう思ったら、それは恋よ。」


[お、俺が、#夢主名前#に恋…?]
「そう。」

[恋…かもしれねえな。]

口許を微かに緩め言った。


カナタは元より赤い顔を更に赤くし、小さく零した言葉を隠すようにグラスを空にした。


*****


「へえ…。それ、絶対恋じゃない!」

「ええ、きっとカナタも#夢主名前#が好きね。…ていうより愛してるって感じだけど。」


「カナタの赤くなった顔、いや、真っ赤な顔を見てみたいですねぇ!」


「そうね〜、」



「「ふふふっ!」」


ミラとルーシィは顔を見合わせ笑った。
ドSコンビの誕生である。

+++

コンコン―


ん?
こんな時間に誰だろう?

後ちょっとでギルドに行こうと思ってたのに。


「#夢主名前#、いるー?」

『はーい、』

声を聞く限り、ルーシィとミラが来たらしい。


ガチャ―

「「おはよ」」

『お、おはよう?』

何だか、二人ともニヤニヤしてるような……って、ニヤニヤッ!!?;

「この服に着替えてね!」

『はいぃぃっ!?』

そういって服が入っているであろう紙袋を突き出した。
いやいやいやいや…、
思わずルーシィの顔を見た。


ああ…、
目か本気だ…。


って、この袋ハートクロイツじゃ?;

いくら、お洒落に疎い私でも、ハートクロイツぐらいは知っている。
中はとーっても可愛らしい服だった。

『嘘でしょ…!(泣)』


絶対私には似合わない!
断言するよ!
ナツやラクサススカート履いてるようなもんだよ!…いや、そこまではない……よね?;


服を来たら(抵抗?無理、無理!ラスボスにLv.1で挑むようなもんだよ!;)
キャンサーにヘアーメイクやらをしてもらった。

…蟹だよね。
海老っておかしくね…?
ってか星霊の使い方これで良いの?


+++

ギルドの前の扉でナツとあった。

ドSコンビ(ミラ&ルーシィ)は私をおいてったから、私一人だ。

おのれ覚えてろよ…!!



『おはよ、ナツ。』

「(#夢主名前#?!)お、おう!」

できるだけ何ともないような顔して挨拶する。
私すごくない?この演技力!



もう格好なんか気にしてられるかァァ!
S級ナメんなぁっはっはー!←



(「ナツの顔が赤くなってる!」)

(「とりあえず、成功しそうね。」)


(「ナツは#夢主名前#が好きなんだね!」)
ドSコンビはハッピーをゲットした!



+++


『み、皆、おはよ!』

さっきはあんなこと言ったけど、恥ずいものは恥ずい!

ギルドの皆がこっち見てんよーー。
皆の顔が驚きに染まるのが見て取れる。


「「「「(可愛い!!)」」」」


まったく、あのドSコンビめ!



───────

#夢主名前#?!

か、可愛い…



って何言ってんだ俺!!
ああもう…!

[#夢主名前#、スカート短すぎじゃないか…?]

今日の#夢主名前#の格好は女の子っぽいもので、色使いも花を見ているよう。
どこか守ってあげたいと思わせるような可愛らしさがある。

あまり履かないスカート姿が恥ずかしいのだろう、#夢主名前#は視線をきょろきょろと、彷徨わせている。
それに、ふっと笑みがこぼれた。


『だってドSコンビがー!』


ギルド最強#夢主名前#さんも、ドSコンビには勝てねぇってか。

「「「(カナタが一瞬真っ赤になった!)」」」

ドSコンビ+ハッピーか?
なんかこっち見てる、よな…;

嫌な予感かしねぇ…!



「大成功ね!」
「やっぱり好きなんですね!」


+++

「#夢主名前#、とっても可愛いね。」


ロキが私の肩を抱き寄せて耳元で、あまーく囁くように言った。


『ふぁっ!!?///

 って、ちょっ!セクハラぁ!///』

パシッ!




そしてグレイは、

「……。

 #夢主名前#も女の子だったんだな…!」

『グレイ酷っ!』


グレイが心底驚いたように言うもんで、ムカついたから足を軽く蹴ってやった。

「っ痛!

 やっぱさっきの取り消す!お前は女じゃねえよ!;」

『はぁ!?
 ふっざけんなぁ!』


今度はギルドの扉まで蹴った。


そりゃぁさ、いつもパーカーとかでお洒落とかあんまりしないし、可愛いくないけどさ、私泣くよ?!



───────


ロキの奴、#夢主名前#の肩抱きやがって…!
嫌がってんじゃねぇか!


そんなこと思っていると、ふといつかのミラの言葉を思い出した。


― 誰にも渡したくなくなって、自分だけを見て欲しくなって、触れたいって、

そう思ったら、それは恋だと思うわ ―




誰にも渡したくない、か…、


やべ、いつもは考えねぇこと考えてたら顔が熱い……


『カナタ、顔赤いよ?

 どしたの?』


、!

#夢主名前#がいきなり顔を覗き込んで来た。

覗き込んでるから上目遣いだ…


『熱でもあるの?』


コツン―


#夢主名前#が、熱を測ろうとしたのか自分の額を俺の額にあてた。


ち、近い…!

いつもより数段近い所に#夢主名前#の顔がある。
っつーか、目の前に!;


[ね、熱なんてねぇよ!]


『え、でも熱いよ?』

#夢主名前#が喋ると、息がかかる。そのくらいの距離だ。
くすぐったい。


[大丈夫だ!心配してくれてありがとな!]

俺は慌てて離れてからそう言い、#夢主名前#の頭をガシガシと撫でた。




─────




[大丈夫だ!心配してくれてありがとな!]


カナタはそう言って笑い、私の頭を撫でた。



[それと…、服、似合ってる。可愛い。]


ふわり、

また笑った




―トクン―


私の胸がそう鳴った気がした。

おかしいな、
なんか顔が熱いし、心臓がドキドキといつもより煩い。


そして何よりカナタをまともに見れないんだ…







イメージチェンジ!

(あの娘だって女の子)




やっぱり彼方が出張る、というね

だが彼方大好きだ!


とかいいつつやっぱり落ち未定!


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